【更新日:2022年7月14日 by 大川 智也】
SDGsへの取り組み方をまとめた具体的な行動計画であるSDGs宣言に取り組む企業が増えています。
SDGs宣言に取り組みたいと考えている担当者のなかには、SDGs宣言をすることにメリットはあるのか、SDGs宣言をどのように作成すればよいかといった疑問がある人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、SDGs宣言を書く方法や作成の流れからメリット、SDGs宣言の事例を紹介します。
▼SDGsについて詳しくはこちら
見出し
SDGs宣言とは
「SDGs宣言」とは企業や学校、自治体などの団体がSDGsに取り組むことを誓い、社内や社外に公式に発表する宣言書を指します。
SDGsに対する姿勢や取り組み内容を発信できる方法としてSDGs宣言を公表する企業が増えています。
SDGs宣言をする目的
SDGs宣言とは、持続可能な世界の実現に向け、社会課題の解決となる具体的な取り組み・計画を公表することです。宣言することで、「社会的な信頼度」と「従業員の満足度」の両方が高まるメリットがあります。SDGs宣言をつかい、自社の経営・成長戦略に取り込み、企業価値の向上をはかっていくかが重要です。
▼関連記事
SDGsは誰が作った? 採択の経緯や目的まで解説
SDGs宣言ができるのは誰?企業・自治体ができる
SDGs宣言ができるのは企業だけでなく、地域の自治体や公共団体等ができます。企業は社外に自分たちがSDGsの取り組みをしていることをアピールすることができます。
これは各自治体や公共団体も一緒です。「見える化」することで対外的にSDGsに取り組む姿が認知されます。
▼関連記事
SDGs達成のために私たちにできることとは?|誰でも簡単にできるSDGs活動をご紹介
SDGs宣言をする3つのメリット
取り組みについて多くの人に知ってもらえる
SDGs宣言をするメリットは「取り組みについて多くの人に知ってもらえる」という点にあります。
商品の購入や就職先の選択、投資先の決定などに今後欠かせない要素となるSDGsの取り組みを多くの人に知ってもらうには、SDGs宣言を行ない、公式に活動をアピールしていく必要性があります。
▼関連記事
企業がSDGsに取り組む4つのメリットを徹底解説|日本企業の取り組みやデメリットも | SDGs CONNECT
ブランドイメージのアップ
SDGs宣言をするということは、その企業はSDGsに取り組んでいるということを公式に社外へアピールすることになります。
SDGsに取り組む企業というのは社会問題に積極的に取り組んでいるという意思表示になるため、ブランドのイメージもアップしています。
ビジネスチャンスの獲得
SDGsというのはビジネスチャンスの獲得にもつながります。
今後、SDGsに取り組んでいるというだけで、投資先に選択されたり、取引先を獲得できたりという機会にもつながります。
SDGs宣言の作成方法
SDGs宣言をおこなう際に重要となってくるのが、「伝わるSDGs宣言」の作成です。
SDGsへの取り組み内容というのは、各企業に一任されているためまずは自分の企業が「17の目標」のどれに該当するかを判断し、それをもとに自社が解決すべき課題を策定するという流れが最適です。
▼関連記事
SDGs論文のを書く方法-テーマ選定から参考論文、コンテスト傾向まで徹底解説
SDGs宣言の作成の流れ
SDGs宣言への理解を深める
SDGs宣言を作成する時に重要なのは、SDGs宣言について理解を深めることです。
ただ、やみくもに宣言をしたところで、伝わるSDGs宣言を作成することは不可能です。
決まったルールがないとしても決まったフォーマットなどが公開されています。
それらを参考に自社企業が取り組むことができる取り組みを17の目標から選定し、目標を設定しましょう。
社外への公表
宣言を作成することが出来たらおこなうことは、社外への公表です。
公表方法としては、自社ブログやSNS、メディアを利用することで、多くの人の目に着くようにします。
また、公表するだけではなく宣言した取り組みに対する進捗度の公表も忘れてはいけません。消費者や取引先が重視するのは、宣言をしたことよりもその宣言がしっかりと遂行されているかというところです。
これらの2つをしっかりとすることで、社外への効果的なアピールにつながります。
▼参考
伝わるSDGs宣言の作成方法とは?作成するメリットと具体的な事例をご紹介
SDGs宣言とは|成果に必要な基礎知識・コツ・事例を解説
SDGs宣言の費用
SDGs宣言を作成するのに決まった費用などは特にありません。
しかし、足利銀行がSDGs宣言書策定支援サービスというものをおこなっています。
企業の状況を聴き取り、状況を可視化して、宣言書を策定し、取り組みを強化するとするようという一連の流れのサービスです。
▼詳しくはこちら
SDGs宣言書策定支援サービス|経営サポート
SDGs宣言にガイドラインはある?認証制度ガイドライン2020年度一覧
SDGS宣言にはガイドラインが存在します。地方創生SDGs登録・認証等制度ガイドラインには、1~5章にわかれており、地方創生SDGsについての内容や認証・登録制度やそれらについて考慮すべき点が細かく書かれています。
▼詳しくはこちら
地方創生SDGs登録・認証等制度ガイドライン 2020 年度 【第一版】
SDGs宣言の活用方法2選
自社のホームページに掲載する
SDGs宣言の活用方法としては、自社のホームページに掲載するという方法があります。
ホームページはその企業の顔であり、さまざまな人が閲覧します。
そこを活用することで、社外だけでなく就活生にもアピールすることができます。
SNSを活用する
現在、多くの会社が自社用のSNSアカウントを持っていると思います。インスタグラムやTwitter、Facebookなどを有効に活用することでそれぞれユーザーの年齢層が違うことからさまざまな年齢層にむけて、自社のSDGsの取り組みを広めることができます。
SDGs宣言の事例4選
SDGs宣言をしている企業
企業① 百五銀「行百五銀行グループSDGs宣言」
百五銀行では、2019年10月21 日にSDGs宣言を制定しています。
地域環境の保全や地域経済の発展などの地方銀行らしい地域に密着した取り組みを中心に、5つの重点課題を設定し、その取り組みについての宣言をしています。
百五銀行ではPDFでその宣言を紹介しています。
▼詳しい宣言の内容についてはこちら
「百五銀行グループSDGs宣言」の制定について
企業② KOSE
コーセーでは、自社HPにてサステナビリティ方針としてSDGs宣言を行なっており、自社のポリシーやどのようなことを目標にしていくかなどをまとめたPDFを配布しています。
そのPDF内では上の図のように自社のサステナビリティ活動の目標をどのように立てるかなどを誰もが見られるようになっています。取り組みの透明化に特化して公的に宣言している企業になっています。
▼関連記事
SDGsの取り組み事例51選|企業と個人の事例を17のゴール別に徹底網羅
地方の「SDGs日本モデル」宣言
「SDGs日本モデル」宣言とは
「SDGs日本モデル宣言」とは、地方自治体が国や企業、団体、学校・研究機関、住民などと連携して、地方からSDGsを推進し、地域の課題解決と地方創生を目指していくという考えや決意を示すものです。
官民連携パートナーシップ、民間ビジネスの力、次世代・ジェンダー平等の大きく3つの柱で構成され、政府が策定した「SDGs実施指針」及び「SDGsアクションプラン2020」にも位置付けられています。
この宣言は2019年1月30日、神奈川県が、横浜市、鎌倉市との共催、他のSDGs未来都市の協力も得て開催した「SDGs全国フォーラム2019」において、全国93自治体の賛同を得て発表されたものです。
「SDGs日本モデル」宣言賛同自治体
SDGs日本モデルに賛同している自治体は362あり、その内の42が都道府県、320が市区町村になっています。
▼このように北海道から順にSDGs日本モデルに賛同している自治体をPDFとして一覧にまとめているサイトはこちらから
https://www.city.shiga-konan.lg.jp/material/files/group/4/model_jichitai_210116.pdf
個人でできるSDGs宣言
みんなの行動宣言
みんなの行動宣言とは、ユニセフが運営するSDGs CLUBで行なわれている一般人がSDGsを宣言することができる掲示板のようなものです。
ペンネームで気軽に投稿することができ、自分がどのような未来を作りたいか、どんなSDGsの取り組みをしたいかを多くの人と共有することができます。
自分で関連するSDGsの目標を選ぶことができるのでさまざまな宣言が集まります。
みんなのSDGs宣言
みんなのSDGs宣言は、SDGsの活動を学校教育に活用できるプログラムです。
総合的な学習・身近な活動を通して児童・生徒に「持続可能な世界を築くにはどのようなことを行えばよいのか」を考える機会を与えてます。
一人ひとりに記入用紙を渡し、自分たちが住んでいる地域や学校などの『もっとこうなれば良い、こうすれば良いのに』といった課題を与えられ、その課題に対する解決策を考え、記入します。
それをクラスでディスカッションし、クラス全体の宣言としてまとめ実践するのがこのみんなのSDGs宣言です。
▼関連記事
参考:みんなのSDGs宣言とは
個人でできるSDGsの取り組みと求められる3つのこと|具体例・年齢別に解説
まとめ
今回はSDGs宣言についてご紹介しました。
SDGs宣言は企業や自治体のものだけではなく、個人として世界に宣言できる機会も与えられています。
これを機会に自分がどのような取り組みをしたいかを考えて、共有してみてはいかがでしょうか?