日本の食と途上国の子どもたちを結ぶ。社会貢献と利益の創造を同時に実現するビジネス。|株式会社テーブルクロス

#SDGs目標2#SDGs目標4#貧困#飢餓 2021.07.30

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【更新日:2021年7月30日 by 鈴木 智絵

SDGs目標2に「飢餓をゼロに」という目標が掲げられているように、「飢餓」は途上国を中心とした世界的な問題となっている。飢餓に苦しんでいる世界人口は、2020年には約8億人に及ぶとされており、栄養不足なども深刻な問題になっている。

▼参考記事

「飢餓」に目を向け、世界中の「飢餓問題」を無くすため日本の食と途上国の子どもたちの食を結ぶ事業を展開するのがテーブルクロスだ。

今回は「飢餓問題」の解決を目指し、社会貢献と利益の創造を同時に実現することを可能とした株式会社テーブルクロス代表取締役の城宝薫氏に、SDGsの重要性や今後の展望について伺った。

「ストリートチルドレン」を実際に目にしたことから生まれた社会貢献事業。

ーー自己紹介をお願いします。

城宝:株式会社テーブルクロス代表取締役の城宝薫です。

飲食店の予約をすると、1人の予約で10食分の給食を途上国のこどもたちに届けることができるグルメプラットフォーム「テーブルクロス」「byFood.com」を運営しています。

これまで、30万食以上の給食支援を実施してきました。

提供:株式会社テーブルクロス

ーー事業を考案したきっかけを教えて下さい。

城宝:「ストリートチルドレンを目にしたこと」「学生時代のアルバイトの経験」がきっかけでした。

幼い頃に訪れたインドネシアで、都市の路頭で暮らす「ストリートチルドレン」を実際に目にしたことで、貧困層の子どもたちの苦労を無くすために支援したいという想いを持ちました。

また、学生時代に飲食店への広告販売を行うアルバイトをしていました。飲食店の広告は月額固定の「月額課金型」がほとんどでした。しかし、このシステムでは効果に関わらず費用が固定化してしまい、飲食店の経営を圧迫します。そこで、集客した分だけ費用が発生する「完全成果報酬型」が必要ではないかと考えました。

この2つの経験から、飲食店の広告のあり方とストリートチルドレンのような社会課題を同時に解決する事業の必要性を感じ、継続した社会課題の解決をビジネスで実現しようと考えたことが事業考案のきっかけです。

継続した社会課題の解決と利益の創造を同時に実現。

ーー社会貢献と利益の創造を同時に実現することの重要性を教えて下さい。

城宝:日本では、社会貢献は「ボランティア」で行うというイメージがあったり、社会貢献事業で利益が生じることに疑問を抱く傾向があります。しかし、社会課題を継続して解決するためには、利益を生じさせる必要性があります。

社会的課題は1回の寄付やボランティアで解決できるものではありません。本当に解決するためには継続して支援できる仕組みが必要になります。

私は、アメリカでCSV(Creating Shared Value)と呼ばれる、社会的価値を創造するビジネスを通じて地球規模の課題を解決する企業モデルを知り、社会的問題を解決していくことの重要性を学び、日本にもこの仕組みを持ち込もうと思い起業しました。

提供:株式会社テーブルクロス

株式会社テーブルクロスが考えるSDGsの重要性、これからの社会とは。

ーー次に企業がSDGsに取り組む重要性について教えて下さい。

城宝:企業は、社会の役に立つことを前提としていると思うので、どんな企業も現在行っているサービスがSDGsにつながっていると思います。

ただ、重要なことは、SDGsという国連が掲げた2030年のゴールができたことで、国と企業と個人が一体となって同じ目標に進める共通言語が持てたということです。共通言語として、SDGsという言葉ができたことでSDGsに関する価値観や軸が企業や個人の間で共有できることは大きいと思っています。

SDGsによって価値観や軸が共有できるようになったことで、自分の意見を確立して社会問題へのアプローチを行える、つまり「それぞれのSDGs」を推進していけるようになったことはとても良いことだと思います。

ーーテーブルクロスとしては、今後どのようなSDGsを推進していきたいですか?

城宝:SDGs 目標4で問題視されている子どもたちの教育格差や、目標2の飢餓問題をメインに、一生懸命解決していきたいと思っています。

この目標は、私たちが行っている事業のように「食」の力が必要になると思っています。
学校給食を届けていく中で、給食を目当てに学校に通う子どもたちが増えると識字率が大幅に上がるということを知りました。このように「食」には大きな力があると思います。

「食」を通じて「飢餓」と「教育格差」が無くなる世界環境を作ることが数ある目標のうちですね。

だからこそ、私たちはまず、2020年時点で8億人※と言われている飢餓で苦しむ人々を救うために、8億人が使ってくれるサービスに発展させていくことに注力を当て、SDGsを推進していきたいです。

※2020年時点で世界人口の約10分の1、最大で8億1,100万人が栄養不足に陥ったと推定されている。

提供:株式会社テーブルクロス

提供:株式会社テーブルクロス

ーー日本の飢餓問題などに関しては、どのように考えていますか?

城宝:日本は特に飢餓問題や貧困問題が見えにくいと感じます。

社会問題は、身近なところに、どこにでも転がっています。ただ、その社会問題に興味関心を持つか持たないかは大きな違いだと感じます。

少子高齢化の問題も、環境問題も、飢餓や貧困の問題もさまざまな場所で起きていますが、全てを個人や1社の企業で行うことはできないと思います。

だからこそ、先ほど述べた「SDGs」という共通言語において個人や企業の軸ごとに、社会問題の解決に向けた活動を役割分担して行っていくべきだと思います。

個人や企業ごとの興味関心や、価値観や軸に沿って各々が社会課題解決のために活動することで、結果としてSDGsの目標を網羅的に解決していけるのではないかと思います。

ーー最後に、城宝さんが目指す日本の姿についてお伺いさせて下さい。

城宝:利益と社会貢献が同時に実現する文化にしたいです。本業で行う活動を通じて、社会課題解決を同時に行うことができるという文化に変えていきたいですね。

利益の創造によって社会問題の解決を継続できるという本質的な考えがもっと広まれば、SDGsの目標に一気に近づくと思います。
利益と社会貢献を同時に実現させるという文化を、テーブルクロスから発信していきたいと思います。

さいごに

今回は、株式会社テーブルクロス代表取締役の城宝薫氏に、テーブルクロスの事業を考案したきっかけやSDGsの重要性、企業としての今後の展望について詳しく話を伺った。

社会貢献と言えば「無償」で行うものというイメージが根強く残る日本。筆者自身もボアランティアや寄付こそが、社会貢献であるというイメージを持っていた。しかし、世界や日本の社会問題に目を向け、SDGsの目標を達成するためには1回きりではなく「継続した社会貢献活動」が必要となる。

継続した活動や支援を続けるためには社会課題を解決しながら利益も創造する仕組みが必要であり、その利益を継続した支援に繋げる企業モデルこそが今の日本に足りない文化なのだと知った。

SDGsの目標を達成するため、また飢餓や教育格差を無くすために自らがCSV企業のモデルとなり事業を展開させる「テーブルクロス」のこれからに注目していきたい。

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