【更新日:2021年7月5日 by 佐野 太一】
「ブランディア」を運営するデファクトスタンダードは6月30日、「PANECO」を生産するWORKSTUDIOと廃棄衣料削減の取り組みを開始したことを発表した。
ブランディアは、ファッションブランド品の買取サービス。PANECOは、廃棄衣料品を原料として作られる繊維リサイクルボード。
◎繊維リサイクルボード「PANECO」
デファクトスタンダードがWORKSTUDIOに廃棄衣料を無償提供し、それをPANECOへとリサイクルする計画だ。月間約4トン排出される廃棄衣料の6割削減、安定的なPANECOの生産が可能になるという。
7月1日に初めてPANECOを内装資材として使用した店舗として「ブランディア 吉祥寺駅前店」がオープンした。これまで什器などでPANECOを使用した事例はあったものの、内装としての使用したのは今回が初めて。
◎「ブランディア 吉祥寺駅前店」内観イメージ
環境省の「ファッションと環境に関する調査業務」によると、国内では年間に81.9万トンの衣類が生産され、そのうちの約9割に相当する78.7万トンが事業所や家庭から使用後に手放される。このうち、リサイクル・リユースされる量は全体の35.2%。残りの64.8%にあたる51万トンが廃棄されていることになる。
まだ使用できるのにも関わらず、衣服生産者の過剰生産や納期の遅れ、注文キャンセルなどの理由によって捨てられる衣服はファッションロスと呼ばれ、環境負荷の観点から問題視されている。
今回の取り組みは、ファッションロス問題を解決するために立ち上げられた「廃棄0プロジェクト」の一環。PANECOの強度や用途の幅広さ、そして持続可能性に着目した。
ブランディアによると、再販が難しい、買取対象ではないといった理由から買取ができない商品は全体の6~7%で、月間で少なくとも約10000件以上、約4トンの衣料が廃棄となっていた。
SDGs目標11「つくる責任 つかう責任」では、「2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する」ことがターゲット12.5として掲げられている。企業間での連携によるサーキュラーエコノミーの構築に引き続き期待したい。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。