【更新日:2022年1月13日 by おざけん】
インターネットショッピングモール「楽天市場」や、総合旅行サイト「楽天トラベル」、フリマアプリ「ラクマ」などで知られる楽天グループは、は70を超えるサービスを展開し、世界30カ国・地域でビジネスを行なっています。
楽天市場と楽天トラベルだけでも8万を超える店舗や登録施設を抱え、人々の「消費」に多大な影響力を持つ楽天は地球環境に対しても責任感を持って事業を展開しています。
今回は、楽天株式会社のSDGsの取り組みをまとめました。
見出し
楽天株式会社 / 事業
楽天株式会社の概要
楽天株式会社は、1997年に創業した、インターネット関連サービスを中心に展開している企業です。
設立日 | 1997年2月7日 |
従業員数 | 単体:7,288名
連結:20,053名 (2019年12月31日現在) |
資本金 | 205,924,000,000円 |
事業 | ・コマースカンパニー
・アド&マーケティングカンパニー ・コミュニケーションズ&エナジーカンパニー ・インベストメント&インキュベーションカンパニー ・フィンテックグループカンパニー |
楽天株式会社の事業内容
① コマースカンパニー
お買い物や生活、レジャーに関するインターネットサービスを中心に、日々の生活をより楽しく便利にする様々なサービスを提供する事業です。
<主なサービス>
- 楽天市場/インターネット・ショッピングモール
- Rakuten Fashion/ 人気ブランドファッション公式販売サイト
- 楽天ブックス/ インターネット上の書籍等販売サイト
- Rakuten24/ 日用品の販売サービス
- 楽天西友ネットスーパー/ 楽天株式会社と合同会社西友が共同運営するネットスーパー
- ラクマ/ オールジャンルの商品を扱う個人間で売買ができるフリマアプリ
- 東北楽天ゴールデンイーグルス/ プロ野球球団運営
など日本国内、国外含む32のサービスがあります。
②アド&マーケティングカンパニー
オンラインメディアやマーケティングソリューション、マーケティングリサーチなどのサービスを提供する事業です。
<主なサービス>
- 楽天みん就/ 新卒学生を中心とした就職情報コミュニティサイト
- 楽天レシピ/ 料理レシピの投稿・検索サイト
- 楽天超ミニバイト/ マーケティング調査や、データ整理などの作業を楽天会員に気軽に依頼できるクラウドソーシングサービス
など国内外で18のサービスを展開しています。
③コミュニケーションズ&エナジーカンパニー
携帯事業をはじめとする情報通信や電力・エネルギー関連、動画配信などデジタルコンテンツ関連のサービスを提供する事業です。
<主なサービス>
- 楽天モバイル/ 携帯事業
- 楽天コミュニケーションズ/ 中継電話サービス、IP加入電話サービス
- 楽天エナジー/ 電力・エネルギー関連のソリューション、サービスを提供
- 楽天チケット/ オンラインでの各種チケットの販売
など10サービスがあります。
④インベストメント&インキュベーションカンパニー
国内外のコーポレート・キャピタル・インベストメント事業を運営するとともに、新サービスの開発及び提供を推進しています。
<主なサービス>
- 楽天キャピタル/ 世界中の革新的なスタートアップへの投資、投資先支援を行うコーポレートベンチャーキャピタル
- 楽天ファーム/ オーガニック野菜の定期宅配サービスや、オンラインストアを運営する楽天グループの農業サービス
- Rakuten Super English/ 楽天の総合英語学習サービス
- 楽天AirMap/ 無人航空機管制プラットフォームの開発・提供
⑤フィンテックグループカンパニー
クレジットカードをはじめとする各種決済サービスやポイントプログラム、インターネット銀行サービス、証券取引サービス、保険サービスなど、フィンテック(金融)系のサービスを提供する事業です。
<主なサービス>
- 楽天ペイ/ 楽天IDを利用したオフラインの支払いサービス
- 楽天ポイントカード/ 日本における共通ポイントカードサービス
- 楽天ウォレット/ 仮想通貨取引サービス
- 楽天銀行/ インターネットバンキングサービス
など16サービスを国内外で展開しています。
楽天株式会社の経営理念
楽天株式会社の企業理念は、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」ことです。
世界中の人々が夢を持って幸せに生きられる社会を創るために、知力と創造力と想いを結集し、常識をくつがえすことを目指しています。
「グローバルイノベーションカンパニー」であり続けるというビジョンのもと、企業価値、株主価値の最大化を図っています。
「楽天主義」
これは、楽天グループのあり方を明確にすると同時に、全ての従業員が理解し実行する価値観・行動指針です。
「ブランドコンセプト」と「成功のコンセプト」の2つで構成されています。
楽天はこれを共通言語とし、何事も成し遂げようとする高い志のあるアントレプレナーシップ(起業家精神)を大切にしています。
多様性あふれる従業員一人ひとりが最大限に力を発揮し、地域との共生を図りながら、グループ全体で一体感を持って企業価値を高め、社会の発展に貢献しています。
楽天株式会社のSDGs戦略
国連グローバル・コンパクト
国連グローバル・コンパクト(UNGC)は、国際社会において持続可能な成長を実現するための、世界で最も包括的で自発的な企業のイニシアチブです。1999年1月31日にダボスで開催された世界経済フォーラムにおいて、当時国連事務総長であったコフィー・アナンが企業に対して提唱しました。
楽天は、グローバル・コンパクトが掲げる10原則を全て支持し、責任を持って事業を展開しています。
国連グローバル・コンパクトの10原則
【人権】 原則1: 企業は、国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重すべきである 原則2: 企業は、自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである 【労働】 原則3: 企業は、結社の自由と団体交渉の実効的な承認を支持すべきである 原則4: 企業は、あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持すべきである 原則5: 企業は、児童労働の実効的な廃止を支持すべきである 原則6: 企業は、雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである 【環境】 原則7: 企業は、環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持すべきである 原則8: 企業は、環境に対するより大きな責任を率先して引き受けるべきである 原則9: 企業は、環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである 【腐敗防止】 原則10: 企業は、強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである |
楽天株式会社のSDGsの取り組み
楽天株式会社のSDGsの取り組みの4つの軸を紹介します。
1. 地域コミュニティのエンパワーメント
インターネットの可能性と公平性を活かし、地域経済をエンパワーするサービスを提供することで日本を元気にすることを創業時からの目的として掲げています。
この取り組みは、SDGsゴール9番の「産業と技術革新の基盤をつくろう」、11番の「住み続けられるまちづくりを」に対応しています。
具体的な取り組み:楽天のサービス、楽天技術研究所、Rakuten IT School NEXT
「Rakuten IT School NEXT」では、次世代を担う高校生が、3日間のワークショップで楽天社員・地域の方とともに、地域の未来について考え、テクノロジーを活用しながら2030年の未来を作るアイデアを立案します。その後、アイデアを実際に試してみることで検証・改善し、活動の成果を校内発表会および東京での成果発表会で報告します。
【引用:https://corp.rakuten.co.jp/sustainability/it-school/ 】
2. 持続可能な消費
基準やレベルなどを通して必要な情報を提供し、環境に害を及ぼさず、人権を尊重し、サプライチェーン上の全てのステークホルダーの経済的発展を可能にすることを考慮して作られた商品を購入する機会を消費者に提供することによって、より持続的なライフサイクルの普及を目指しています。また、消費者にリユースやリサイクルを促すサービスも提供しています。
この取り組みは、SDGsゴール12番の「つくる責任、つかう責任」に対応しています。
具体的な取り組み:EARTH MALL with Rakuten、ラクマ、楽天買取、楽天レンタル
EARTH MALL with Rakutenとは、お買い物を通じてサステナブルな社会を考える、楽天市場内のインターネットショッピングモール&オンラインメディアです。
生産、流通、販売、使用から廃棄、リサイクルに至る過程で、環境、社会、経済への影響に配慮して作られた商品やサービスを提供する「未来の買い物」の考え方に基づき、SDGsの環境、社会、経済の3つの側面に貢献する商品やサービスを紹介しています。
また、単一のSDGsに貢献する商品よりも、複数のSDGsに貢献している商品を優先して紹介しています。SDGsの17のゴールはそれぞれが複雑に関係しあっているため、環境に関するゴールに貢献する一方で、社会に関する別のゴールからすれば好ましくない商品もあるからです。
【引用:https://corp.rakuten.co.jp/innovation/sustainability/2018/0613/ 】
3. ダイバーシティと機会均等
楽天は、世界のニーズに応える革新的なサービスを創るためには社員のダイバーシティが不可欠であると認識しており、社員の個々人の個性を尊重して大切にしています。全ての社員が国籍・人種・性別・宗教・政治思想・年齢・性的指向にかかわらず、各々の能力を最大限に発揮でき、差別が許されない職場環境を構築、維持しています。
この取り組みは、SDGsゴール5番の「ジェンダー平等を実現しよう」、10番の「人や国の不平等をなくそう」に対応しています。
具体的な取り組み:「楽天グループサステナブル調達インストラクション」-サプライヤーの労働慣行、強制労働・児童労働を防ぐために-
楽天のサービスや製品のサプライチェーンは、時に様々な法律や人権の慣習をもつ複数の国にまたがって複雑なものとなることがあります。複雑なグローバルサプライチェーンには、深刻な人権リスクが潜んでいる可能性もあります。そこで、楽天グループは、楽天とサプライヤー双方がサステナビリティに関して共通の認識を持ち、協力して取り組んでいくことが不可欠であると考え、「楽天グループサステナブル調達インストラクション」を策定しています。これには、法令遵守、環境保護、児童労働の禁止などを含む労働者への公平な待遇、健康、安全の確保などが示されています。
4. 気候変動
カーボン・オフセット取引の革新的ソリューションや、低コストな再生可能エネルギーのソリューションの販売など、ビジネスパートナーや顧客が環境への影響を軽減するためのサービスを提供しています。
この取り組みは、SDGsゴール13番の「気候変動に具体的な対策を」7番の「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」に対応しています。
具体的な取り組み:楽天エナジーNBA Japan GamesにおけるCO2オフセットで排出量を実質ゼロに
楽天とNBAは、2019年に行われた「NBA Japan Games Presented by Rakuten」および「NBA Fan Night Presented by Rakuten」において、施設で計測した電力消費量から算定されるCO2の排出量をJ-クレジット制度を用いてオフセット(帳消し)しました。
また、イベント会場にもCO2オフセットブースを設置し、ブースを訪れたファンがそこで写真撮影をしてもらえるオリジナルステッカーを1枚配布するごとに6kg分のCO2をオフセットし、お客様の会場までの交通手段で排出したCO2も実質ゼロにしました。
CO2オフセット:排出されるCO2に見合った量のCO2削減活動に投資することにより、排出された分のCO2を帳消しにすること。
J-クレジット制度:省エネルギー機器や、再生可能エネルギーの導入、森林経営などの取り組みによるCO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度 |
【引用:https://corp.rakuten.co.jp/innovation/sustainability/2019/1001/ 】
5. パートナーシップ
ステークホルダーと手を取り合い、SDGsの普及と目標の達成に向けて、楽天のサービスやテクノロジー、人材を活用しています。
この取り組みは、SDGsゴール17番の「パートナーシップで目標を達成しよう」に対応しています。
具体的な取り組み:Goals Beyond the Game
「Goals Beyond the Game」は、2018年に行われた「FCバルセロナ」の試合を通じて、SDGsが掲げる17の目標達成に向けた取り組みへの参画を世界中の人々に呼びかけるプロジェクトです。
具体的には、同試合に先駆けて、参加者がSDGsが掲げる17の目標の中から1つ選び、その目標に関する自分自身の宣言を特別サイトへ投稿します。
投稿された宣言は、「#GoalsBeyondtheGame」というハッシュタグをつけて楽天や「FCバルセロナ」、国連機関関係者が運営するSNSで広く拡散されると共に、その一部は最終戦の試合中に、試合が行われる「FCバルセロナ」の本拠地カンプノウスタジアムにて電光掲示板などで紹介されました。
【引用:https://rakuten.today/tech-innovation/rakuten-sustainable-development.html 】
まとめ
幅広いジャンルと様々な国・地域でサービスを展開する楽天は、人々の生活様式や行動に与える影響力も大きいです。そのため、SDGsの取り組みに関しても、地球規模での視点を持って、具体的な対策を行なっている印象を受けました。
人々の行動に与える影響が大きいことは、その行動が良くも悪くも注目され、世界を動かすことを意味します。多くの拠点と様々な業界との繋がりをもつ楽天だからこそできる、大規模なプロジェクトを、これからも持続的に取り組み続けていただきたいです。