【更新日:2021年3月16日 by 佐野 太一】
引用:フリー素材のぱくたそ
経済産業省は3月12日、脱炭素に向けて研究開発を行う企業を政府が支援する「グリーンイノベーション基金」の基本方針を策定した。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に2兆円の基金を設置し、10年間にわたって対象企業の研究開発・実証から社会実装までを支援する。
2兆円の政府資金を呼び水として、民間企業などの研究開発・設備投資を誘発し、さらには世界で3000兆円規模と目されるESG資金を国内に呼び込むことで、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指す。目標とする経済波及効果の額は190兆円。
カーボンニュートラルについて詳しく解説した記事はこちら。
支援対象となるのは、政府が掲げる「グリーン成長戦略」の重点分野の中でも政策効果が大きく、社会実装までを見据えて長期間の継続支援が必要な領域。研究開発プロジェクトの規模としては200億円以上を目安とし、中小・ベンチャー企業や大学・研究機関の参画も想定している。
研究開発プロジェクトの管理手法も特徴的だ。取り組み状況が不十分な場合は経営者に事業中止・委託費の一部返還を求めたり、目標達成度に応じて国費負担割合を変動させる制度を導入する。
今後は基金の運営方針を検討してきた「グリーンイノベーションプロジェクト部会」の下に分野別ワーキンググループを設置し、研究開発プロジェクトごとの開発目標などについて議論を進める予定だ。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。