コミュニケーションで創るパートナーシップ|株式会社コングレの取り組み

2023.06.01

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【更新日:2023年6月1日 by 中安淳平

株式会社コングレは1990年の創立以来、コミュニケーションを生む「場」づくりを行っており、その分野はG7サミットのような首脳会議、エネルギー、環境等をテーマにした各種国際会議や医学系の学術集会などの企画運営から、イベントや会議施設、文化施設、観光施設など多岐にわたる。そのため幅広くSDGsに関する取り組みに尽力している。

今回は、コミュニケーションの「場」づくりを手掛けるコングレがSDGsのどのような取り組みを行い、力を入れているのか、全社のサステナビリティ活動を主幹する営業企画部副部長の高橋友美氏に話を伺った。

コミュニケーションで新たな価値を生み出すために|目的に合わせた「場」づくり

ーー自己紹介をお願いします。

営業企画部で全社のサステナビリティ活動を担当する高橋友美です。入社以来、文化施設の立ち上げや、愛知万博、上海万博、ミラノ万博などの国際イベント、G7サミットなどの大型国際会議などを担当してきました。2020年から全社横断のSDGsプロジェクトチームリーダーとして、コングレのサステナビリティ活動を主導し、様々な活動を行っています。

ーー企業理念について教えてください。

当社の基本理念は、「よい仕事をする」「地域・社会に貢献する」「いきいきとした社員の集合体」の3つです。

「未来が生まれる、『場』をつくる。」という言葉をビジョンとして掲げ、1990年の創立以来、一貫してコミュニケーションに関わり、人と人とのつながり、相互理解が進む社会を目指して、仕事に取り組んでいます。

ーー企業の概要を教えてください。

株式会社コングレは、コンベンション(国際会議・学会)の運営を主力事業として、会議施設や文化施設・観光施設の運営をはじめ、展示会・イベントの主催、調査コンサルティングなど、様々な分野で専門的なサービスを提供しています。

コンベンション事業では、2012年のIMF・世界銀行年次総会、2016年のG7伊勢志摩サミットなどを成功に導き、「国際会議のコングレ」として社会課題の解決に関わってきました。日本医学会総会をはじめ学会の運営も多数担当し、学術の発展を支援しています。

施設運営事業では、コングレブランドの会議施設をはじめ、美術館、コンサートホール、科学館、水族館、展望台などの文化施設・観光施設など全国約90の施設を運営しています。各地でまちづくりに参画し、地域活性化に取り組んでいます。国際博覧会では、2005年「愛・地球博」での日本館VIP接遇などをはじめ、その他の各種国際博覧会でもパビリオンや関連行事の企画運営に数多く携わっています。

展示会・イベント事業では、スポーツビジネスやドローンなど、時代の要請に応じた最先端のテーマを取り上げ、関係者とともに産業の振興に注力しています。近年は、コロナ禍を契機にMICEイノベーション研究会を立ち上げ、異業種との交流を通じ、DX、AI、ロボットなどを取り入れて事業を進化させています。

私たちの携わる業界は、MICE※と総称されます。MICEでは多くの資源が消費されます。私たちはMICEのイノベーションカンパニーとして、環境に配慮した調達や情報通信技術を活用した省資源策、脱炭素、地産地消などサステナブルMICEにつながる各種施策の導入を支援しています。

※MICEとは、「Meetings(ミーティング)」「Incentives(インセンティブ旅行)」「Conventions(国際会議)」「Exhibitions(展示会)」の頭文字を取った言葉で、これらのビジネスイベントの総称です。

MICEを活用した社会貢献とは

ーーSDGs宣言について教えてください。

コングレでは、2020年からSDGsプロジェクトチームを組織し、全社体制でSDGsの取り組みを推進しています。社員への啓発イベントとして勉強会や研修ワークショップなどを開催し、SDGsやサステナビリティを自分事化し、自ら考えて、行動を変えるような、機運醸成の取り組みを継続しています。

そして昨年には、「コングレのSDGs宣言」を策定し、重要課題(マテリアリティ)1から4までを設定しました。

重要課題は1から4まで順に「MICEの場の創造を通じた社会課題解決の支援」「施設運営を通じた持続可能なまちづくりの支援」「会社と社員が共に成長できる持続可能な職場環境づくり」「公正な業務慣行・対話を通じた積極的なパートナーシップの構築」です。

当社が事業で携わる国際会議は、テーマや内容そのものが「社会課題の解決」に直結することがほとんどです。その社会課題の解決の場を、環境配慮やデジタルの活用などを通じて持続可能な形にする支援をするのが私たちの役割です。また、文化施設・観光施設でも、環境負荷軽減の取り組みだけでなく、ユニバーサル対応なども進めることで、環境と人の両方にやさしい施設づくりを進めています。

同時に、MICEの運営や関連施設の管理には、当社のようなPCO(Professional Congress Organizer)だけでなく、映像、音響、輸送、食事、宿泊、警備など、様々な専門会社との協力が不可欠です。私たちはこういった専門会社の皆さまとパートナーシップを築きながら、ソフト面・ハード面の双方からコミュニケーションの「場」を創り上げています。

ーーSDGsに関する具体的な取り組みについて教えてください。

まずコンベンション事業関連では、コングレが携わるコンベンションは、2021年で年間約190件、参加人数は約84万人にものぼっています。

このように非常に多くの人が集まるMICEの場で、SDGsに関連する取り組みを実施することは、社会に大きなインパクトを与えることができると考えています。

具体的には、食品廃棄数の削減(ロスゼロ)運動や、主催者との共創による啓発活動、省資源の取り組み、リサイクルの推進やフェアトレード品の活用などを進めています。

例えば、2022年8月の第67回日本透析医学会学術集会・総会は、「透析医療のSDGsを求めて」をテーマに開催されましたが、現地参加者特典として、製造工程で残った生地を再利用したコットン素材のコングレスバック・再生ポリエステルを使用したSDGsカラーのネームストラップを用意しました。また、男女共同参画や医療従事者の働き方改革を促進するプログラムなども実施されました。

また、施設に関連するところでは、全国約90の施設の年間来場者数の合計は約1,350万人以上にもなります。コングレでは、そこで働く社員やスタッフの皆さんとともに、それぞれの地域の一員としてまちづくりの核となる施設の管理運営に参画して、持続可能なまちの魅力、ブランドの向上や人材育成に寄与していくことを目指しています。

例えば、地域との連携を促進し、地方創生や人材育成を推進したり、防災やユニバーサルデザインの推進、科学館事業などを通じた次世代を担う人材の育成などを進めています。

当社が指定管理者として運営を担当する「ウェスタ川越」では、自主企画事業として、「SDGsアクションフェスタ」を開催しています。楽しみながらサステナブルな取り組み・行動について考え、実践するきっかけづくりとなることを目的として、高校生と企業によるコラボ企画やサイエンスショー、展示などを行い、2022年は4千人を超える来場者で賑わいました。

コングレでは指定管理者として全国6か所(千葉市・板橋区・横浜市・新潟県・山梨県・神戸市)の科学館を管理運営しています。科学館では、地元のボランティアの方に協力していただいてワークショップを行うなど地域に根差した活動も行っています。

本年新たに東京都杉並区より旧杉並第四小学校跡地活用の「次世代型科学教育の新たな拠点等の整備・運営事業者」に選定され、官民一体の共同プロジェクトを開始しました。“未来をつくる杉並サイエンスラボ「IMAGINUS(イマジナス)」”が2023年10月に開業します。コングレ直営の施設ですので、こちらでもいろいろな取り組みを進めていきます。

リアルな交流で広がるSDGs

ーーこれからの展望について教えてください

2022年は、重要課題(マテリアリティ)の策定や、SDGs宣言など、当社にとって非常に大きな1歩を踏み出した年でした。全社員を対象にした体験型のSDGsワークショップも全国各地でリアル開催し、SDGsの世界をゲームを通じて体感することで、本質の学びにつながりました。同時にコロナ禍で少なくなった「リアルなコミュニケーションを楽しんだ」という声も多く、SDGsをキーワードにした社員同士の交流の場になったことはうれしい副産物でした。

また、東京本社の社員と家族を対象に「親子プログラミング教室」と「オフィス見学ツアー」を開催しました。これは当社が指定管理者として管理運営する施設で実施している独自開発のプログラムです。

こういった取り組みを通じて、いつもとは違った視点で会社と社会のつながりや、自分起点で何ができるのかを社員1人1人が考えるきっかけになり、自発的な取り組みも増えてきた印象です。

これらを踏まえ、本年からは、サステナビリティ活動の経営への統合を目指し、SDGsに関連する活動の主体を各事業部へ移行する組織改編を行いました。重要課題に関連したKPIも各部が考案します。つまり、各部が独自にそれぞれの事業に即したサステナビリティ活動を推進し、KPIの達成を目指します。

このように、各部が主体となり、事業に即した取り組みを進めることで、新たな取り組みが加速度的に生まれたり、新規事業につながったり、シナジーが生まれたりなど、様々な化学反応を期待しています。

さいごに

様々なことに配慮しながら、コミュニケーションの「場」づくりをするコングレだからこそ、SDGsに関する取り組みを様々な観点からアプローチできると感じた。特にパートナーシップに関して、社員の子どもにも配慮があることにはとても驚いた。今後も増え続けるであろうコングレがつくる「場」にますます期待が持てる。

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