“自律型組織”でヒトも会社も大きく成長|KDDIテクノロジーのSDGs

2023.04.24

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KDDIテクノロジーは通信事業大手であるKDDIの子会社であり、システム開発や技術コンサルティングを主に行っている企業である。
子会社は親会社の存在により、経営が悪化するリスクは少ないが、議決権は親会社にあるのでトップダウンに陥りやすいという特徴がある。
そんな中、今回はKDDIから出向して代表取締役社長となった大井龍太郎氏が現代にあった改革で自立型組織を構築している。就任3年目にして、社員数は5年前の2倍以上、会社の売り上げ規模も着任時の約2倍と大きく成長している。今回は大井龍太郎氏に、自律型組織の在り方や自立型組織にするために重要なことについて伺った。

エンジニアから経営者へ

ーー自己紹介をお願いします。

大井氏:KDDIテクノロジー代表取締役社長の大井龍太郎です。大学では電子工学を学び、ファーストキャリアはユニデンという通信機器メーカーに勤めていました。そこでは、エンジニアとしてコードレス電話機の基板設計をやっていましたが、Uターン転職で九州セルラー電話という携帯電話通信キャリアの会社に転職し、その会社がKDDIに吸収合併されました。KDDIではモバイルアプリ開発や商品企画、商品開発などを担当しました。そして2020年からKDDIテクノロジーの代表取締役社長に就任しました。

ーーもともとエンジニアであったにもかかわらず、組織論に興味をもったキッカケは何かありましたか

大井氏:KDDIでマネジメント職をしていたときに、「自分で動くというより、人をうまく動かしていかないとプロジェクトは回っていかない」と気づいたことがキッカケです。また、私がマネジメント職になった当時は「サーバントリーダーシップ」の考え方が流行っていて、その影響からどうすれば人は動いてくれるのかを考えて行動しています。外から指示して動かすというよりは、内側からモチベーションを高めてもらうためにどうやって部下をやる気にさせて、自分から動いてもらえるかを考えるようなマネジメントを心掛けています。

自律型の組織へ。与えた自由と実体験

ーー大井さんが就任されてから意識的に変えた部分はどこですか

大井氏:自律型の組織にしていく必要があるというのはすごく感じておりまして、上から言われてやるトップダウンではなく、社員が自分で判断していくボトムアップにするために、あえて社員に様々なところで選択権を与えました。例えば、服装の自由であったり、働く時間もフルフレックス、会社に来る来ないも自分で決めていいようにしました。この形式では、なにごとも自分で決められる代わりに自分で考えて動かなければならず、そこに責任も生まれてくるのでむしろ厳しくなるのですが、社員の皆さんからは好評をいただいているようです。
さらに、週に一度今週やったことや気づきをオンラインで共有するミーティングを始めたり、年に1,2回ほど会社の全員を集めて、「どういった組織にしていきたいか」等を話していくワークショップを開催しています。その中で出た案で出来そうなものは実現させることによって、「出た意見が実現された」という実体験をしてもらい、それを繰り返していくことで発言しやすい組織となり、自律につながっていくのではないかと考えています。

ーー実際にそのような制度を取り入れて数字として現れたところはありましたか

大井氏:制度との因果関係があるのかはわかりませんが、退職率は下がっています。また驚いたのは業績が想定以上に上がったことです。また、自律型の組織を目指している上で、社員から「こういうことをやりたい」という話が上がってくる数は増えています。会社としてもそのような話は基本やっていいよというスタンスでいるので、社員のモチベーションや自主性につながっていれば嬉しいです。
また、採用にもつながるのではないかと感じています。どうしてもKDDIの子会社となると固いイメージを持たれてしまうのですが、服装や働く時間・場所を自分で選べる自由度の高い働き方は現代に合っていますし、就活生の方にも響くのではないかなと感じています。

パーパスを中心にした組織づくり

ーー自律型組織を作るうえで、何が一番重要だとお思いですか

大井氏:自律というのは、言い換えれば個人に裁量があるということなので、社員がそれぞれやりたいことを好き勝手にやってしまうと、組織として破綻してしまいます。そうならないために重要なのは共通の目的(パーパス)です。ありきたりかもしれませんが、会社としての明確なパーパスを皆が共有しているのはすごく重要なことだと捉えていまして、個人に裁量がありながらも、目指す先は一緒である必要があると考えています。先ほど話に出た全社員で行うワークショップも、パーパスやそれぞれの意見や考え方を知る場になってほしいという狙いもあります。

ーー今後のKDDIテクノロジーのあり方についてはどうお考えですか

大井氏:私は出向で来ている身なのでいつかはいなくなります。そのため、私がいなくなった後も自分たちだけでやっていける自律した会社になってほしいと思っています。変化の激しい今の時代は、変化に素早く順応していかないとすぐにおいて行かれてしまいます。トップダウンではスピードがでませんので、社員ひとりひとりが変化に合わせて行動し、判断できるようにならなければなりません。そして共通のパーパスが自律した組織になるための心の支えとなり、一体感を生み出し、協働する強い組織にするのだと思っています。ちょうど今、社員の皆さんがそのパーパスを作ってくれています。そしてKDDIテクノロジーは更に躍進をすることになると思います。ぜひ期待して見ていてください。

さいごに

今回の取材では、大井氏の話す口調や声のトーン、そして取材前に同席していた広報の冨沢氏がおっしゃっていた「大井は社内のアイドル的存在です」という発言など節々から、大井氏が親しみやすく社員から愛されている社長なんだというのが伝わった。
大井氏が行ったいくつもの改革や新制度が成功しているのは、明確なビジョンがあることとそのキャラクターがあってこそなのだと思う。
これからさらに「大井イズム」が浸透し、ますます自律していくであろうKDDIテクノロジーから目が離せない。

KDDIテクノロジーについて

KDDIテクノロジーは、KDDIグループで培った高い技術力と豊富なノウハウをベースに、先端テクノロジーを活用して新しい価値を創造し続けている企業です。モバイルアプリケーションの開発のほか、XRやスマートドローンのシステム開発、KDDI製品・サービスの品質評価にも取り組んでおり、近年ではAIソリューション開発にも力を入れています。また、KDDIグループだけでなく、グループ外の企業にもサービスを提供しています。

 

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