温室効果ガスを減らすために、世界各国は急速に取り組みを進めていることをご存じでしょうか。
温室効果ガスは多くの二酸化炭素を含んでおり、これらが原因で世界各地において地球温暖化に伴う自然災害が多発しています。
「日本の気候変動対策は周回遅れ」といわれていますが、これ以上地球温暖化を進めないためにも、より具体的な対策を行うことが不可欠です。
今回は温室効果ガスの種類や発生原因、引き起こす問題、世界と日本の目標と対策を確認した上で、温室効果ガス削減に向けて企業と家庭・個人にできる具体的な取り組みを解説します。
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温室効果ガスとは?
温室効果ガスと言われると、多くの方が二酸化炭素を想像するのではないでしょうか。
たしかに、二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きい温室効果ガスですが、実は二酸化炭素以外にも種類があります。
まず温室効果ガスの種類と、温室効果ガスが発生する4つの要因について説明します。
温室効果ガスの種類
温室効果ガスは二酸化炭素の他に、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがあります。地球温暖化におよぼす影響がもっとも大きい温室効果ガスが、二酸化炭素です。
二酸化炭素以外の温室効果ガスも、さまざまな場所から発生し地球温暖化を促進しています。とくに、一酸化二窒素やフロンガス(フロン)はオゾン層の破壊にもつながる危険性のある温室効果ガスです。
温室効果ガスが発生する4つの原因
温室効果ガスには大きく分けて4種類あります。これらの温室効果ガスはいったい何が原因で発生するのでしょうか。
その原因について解説していきます。
森林の減少
環境省によると、世界における森林面積は約40.3億ヘクタールで、全陸地面積の約31%を占めています。しかし、2000年から2010年において毎年520万ヘクタールが減少しています。
とくに南アメリカ・アフリカ・東南アジアなどの熱帯地域の森林が減少しており、ブラジル・ナイジェリア・オーストラリア・インドネシアの4国では著しい減少がみられます。
20世紀後半、世界中で人口が増加し続けており、熱帯地域の発展途上国では爆発的に増加してきました。そのため、食料不足を解決するために多くの森林が農地や牧草地に変えられてしまいました。
そのほかにも、蒔・炭などの木質燃料の使用量増加や、伝統的な手法と異なる「焼畑」などが挙げられます。
伝統的な「焼畑」 …森林を焼き払い、短期間の農地として利用したあと、自然の回復力で森林に戻すことを繰り返す農法。 |
化石燃料の消費
化石燃料とは、石油・石炭・天然ガスのことを言います。微生物の死骸や枯れた植物などが何億年という時間をかけて化石になり、私たちが使用する化石燃料となります。
現在、経済成長と人口増加によりエネルギーの消費量は年々増加しており、今後も増加していくと考えられています。関西電力株式会社によると、アジアの発展途上国を中心に、2040年には世界のエネルギー需要量は1.3倍になります。
石油・石炭や天然ガスのような化石燃料は有限であるため、このまま使用していくと枯渇してしまい、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。

引用: 関西電力株式会社公式サイト
自動車の使用台数の増加
近年、人口増加に伴って男女問わず、多くの人々が自動車を使用しています。とくに地方に住む人々の自動車使用率がとても高く、多くの人が、買い物や通勤・通学の際に使用しています。
日本自動車連盟工業会jamaによると、2020年における世界全体の自動車生産台数は約7,762万台となりました。新型コロナウイルスの影響で、昨年度より生産台数が減少しているものの、多くの自動車が生産されています。
自動車は大量の二酸化炭素を排出します。使用する人が多ければ多いほど、多くの二酸化炭素を排出することになります。
窒素肥料の使用
植物にとって窒素は光合成に欠かせない葉緑素(クロロフィル)を作るために必要なものです。しかし、植物は窒素をそのまま吸収できないため、微生物が分解した土壌に含まれる窒素を吸収します。
窒素肥料はこのような工程を賄っており、今では広く利用されています。窒素肥料にもいくつか種類があり、用途によって使い分けることもできます。
これらの窒素肥料を田畑にまくと、汚染物質が地下水に混じってしまいます。さらに、田畑から一酸化二窒素も排出されます。
温室効果ガスがもたらす問題とは?
温室効果ガスは森林伐採などによる森林の減少や、化石燃料の使用、自動車使用台数の増加などが原因で発生することがわかりました。
では、これらが引き起こす問題とは何でしょうか。これからその問題について説明していきます。
地球温暖化の促進
温室効果ガスが大量に発生することにより、地表から放射される熱を吸収して大気を暖めていくため、地球の温度は上昇していきます。さらに、大気中の温室効果ガス濃度が高まることで、より地球の温度が上昇していきます。
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)によると、2021年における世界平均気温は、工業化前と比べて2011〜2020年で1.09℃上昇しています。このまま地球温暖化が促進すると、2081〜2100年で最大5.7℃上昇すると推定されています。
さらに、地球温暖化が進むことで他にも問題が生じてしまいます。その問題について説明していきます。
海面上昇・陸地減少
温室効果ガスにより地球が暖められることで、氷河・氷山・ひょうなどが融解し、海面が上昇する現象のことを海面上昇と言います。水温が高くなることで海水が膨張することも、海面上昇につながるのです。
海面が上昇することで、海岸浸食や高潮、高波などさまざまな問題が発生します。とくに沖縄では、海面や水温の上昇により白化現象、台風、海洋の酸性化が起こり、サンゴ礁の消失が発生しています。
そのほかにも、モルディブ諸島・チャゴス諸島・ツバル・キリバス・マーシャル諸島・トケラウなどの国々では海面上昇により、浸水被害が多発しています。
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)によると、世界の平均海面水位は1901〜2018年の間で約0.20m上昇しています。また、2081〜2100年の間で最大1.01m上昇すると推定されています。
動植物の絶滅
国際自然保護連合(IUCN)によると、現在世界では約40,000種類もの動植物が絶滅危惧に陥っています。とくに、両生類、サメ・エイ類、造礁サンゴ類、針葉樹、ソテツ(裸子植物ソテツ科の常緑低木)は絶滅危惧種のうち、30%以上を占めています。
世界各国で人口が増加しているため、土地の開発を余儀なくされています。これにより、動植物の住処がなくなってしまい、住む場を追われることになります。また、生物多様性も失われ、適した環境で生きていくことも難しくなってしまいます。
そのほかにも農薬・化学物質による土地の汚染や、毛皮を求めた密猟・乱獲、荷物や人が持ち込んだ外来種によって地域特有の生態を壊している現状です。
気候変動や異常気象
気候変動とは、さまざまな原因により気候が短期的に変動することを言います。気候変動の要因として、自然の要因と人為的な要因の2つが挙げられます。
自然の要因には、大気自身に内在するものや海洋の変動、火山の噴火によるエーロゾル(大気中の微粒子)の増加、太陽活動の変化などがあります。
一方、人為的な要因には二酸化炭素などの温室効果ガスの増加やエーロゾルの増加、森林破壊などがあげられます。これらが影響して水資源が不足して干ばつが発生したり、動植物が喪失したりしているのです。

引用:気象庁公式サイト
温室効果ガスを削減するための世界と日本の目標
現在、日本のみならず世界各国で温室効果ガス削減にむけて取り組みを行っています。
これから各国が定めた温室効果ガス削減目標や、その現状についてお伝えします。
各国は具体的な削減目標を策定
世界各国において、目標はそれぞれの国ごとに任されています。しかし、世界全体としては「世界の平均気温上昇を産業革命五銭に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という大きな目標が掲げられています。また、各国は温室効果ガスの削減目標を5年ごとに提出し、適宜見直して削減を加速することが義務付けられています。
アメリカでは、「2030年までの温室効果ガス排出量を2005年比で50〜52%削減、2050年までに実質ゼロにする」目標を掲げています。EUにおいても「2030年には1990年比で55%以上の削減、2050年までに実質ゼロ」を掲げています。
さらに人口増加の著しい中国・インドにおいても目標を掲げています。中国の目標は「2005年比で二酸化炭素排出量の60〜65%削減、2060年までにネットゼロ」、インドの目標は「2005年比で33〜35%削減、2070年までにネットゼロ」です。
各国の現状
Universal Ecological Fund(FEU-US)によると、地球温暖化を産業革命以前のレベルより1.5℃低く保つというパリ協定の目標を達成するためには、2030年までに世界の温室効果ガス排出量を50%削減する必要があると述べています。
しかし現在行われている取り組みの分析によると、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減するには不十分であり、目標の達成は難しいと予測されています。
パリ協定における目標が達成されない場合、さらなる気候変動・異常気象の発生や生物多様性の喪失、人々の健康・生活にも悪影響が出てしまいます。
日本は地球温暖化対策計画を策定
日本は2021年4月の、2030年までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減、排出量割合を50%まで目指すことを目標としています。また、目標達成に向けて5つの分野に分類しています。
5つの分野と取り組み内容については以下の通りです。
産業部門 | ・産業界における自主的取組の推進 ・企業営業等における脱炭素化の促進 ・省エネルギー性能の高い設備・機器の導入 ・業種間連携省エネルギーの取り組み促進・電化・燃料転換 ・徹底的なエネルギー管理の実施 |
業務その他部門 | ・産業界における自主的取組の促進 ・建築物の省エネルギー化 ・省エネルギー性能の高い整備・機器の導入 ・デジタル機器・産業のグリーン化 ・徹底的なエネルギー管理の実施 ・電気・熱・移動のセクターカップリングの促進 ・中小企業の排出削減対策の促進 ・工場・事業場でのロールモデルの創出 ・エネルギーの地産地消、面的利用の促進 ・脱炭素型ライフスタイルへの転換 ・公的機関における取組 |
家庭部門 | ・脱炭素型ライフスタイルへの転換 ・住宅の省エネルギー化 ・省エネルギー性能の高い整備・機器の導入 ・電気・熱・移動のセクターカップリングの促進 |
運輸部門 | ・産業界における自主的取組の促進 ・自動車単体対策 ・道路交通流対策 ・脱炭素型ライフスタイルへの転換 ・公共交通機関及び自動車の利用促進 ・鉄道、船舶、航空機の対策 ・脱炭素物流の促進 ・電気・熱・移動のセクターカップリングの促進 |
エネルギー転換部門 | ・産業界における自主的取組の促進 ・電力分野の二酸化炭素排出原単位の低減 ・再生可能エネルギーの最大限の導入 ・石油製品製造分野における省エネルギー対策の推進 |
日本の温室効果ガスを減らす対策が遅れている2つの原因
冒頭でも述べたように、日本の温室効果ガス削減対策は遅れていると言われています。いったいそれはなぜなのでしょうか。
これからその2つの原因について説明していきます。
石炭火力発電の依存
徐々に再生可能エネルギー発電量は増加しているものの、日本の電力発電は石炭火力発電に依存しています。国際エネルギー機関(IEA)によると、2021年度における4月〜6月における石炭火力発電量は60.4TWhでした。
一方、自然可能エネルギーの発電電力量は62.2TWhと、石炭火力発電よりわずかに上回っています。しかし、月別で比較すると主力である太陽光・水力発電がもっとも有効に電力発電できるのが4月〜6月です。雨が降りにくく、太陽の日照時間が短い12月〜2月では、自然エネルギーによる発電電力量はあまり多くありません。
四季のうち春にもっとも発電量が多くなる傾向があり、秋から冬にかけて発電力量は落ちていきます。このような季節による発電量の差がうまれないようにすることで、年間を通して再生可能エネルギー由来の電力を使用できます。
エネルギー自給率の低率
電気事業連合会によると、2019年におけるノルウェーやオーストラリアなどの国々におけるエネルギー自給率は30%以上と、高い数値となっています。
一方、2020年における日本のエネルギー自給率は11.2%と、主要36カ国のうち2番目に低い数値となっています。日本はエネルギー資源をほとんど他国から輸入しているため、安定したエネルギー構造とは言えません。
安定したエネルギー供給を行うために、太陽光や水力発電などの再生可能エネルギーを使用することはもちろんですが、安定してエネルギー資源を輸入できるよう他国との関係を強化することも大切です。
温室効果ガス排出量削減のための目標をたてているものの、日本は他国と比べて実行できていないため、より具体的な取り組みを考える必要があります。

引用: 電気事業連合会公式サイト
世界の取り組み2選
ここまで温室効果ガスに関する問題点や原因について、世界各国の温室効果ガス削減目標やその現状について説明してきました。
温室効果ガス削減のため、世界の国々はどのような取り組みを行っているのでしょうか。
世界の具体的な取り組みと日本政府が行っている取り組みについて紹介していきます。
EU「欧州グリーンディール」|気候中立を実現
「欧州グリーンディール」とは、2019年にEUが発表した人々の幸福と健康の向上を目的とする、温室効果ガス削減対策です。EUは2050年までに気候中立(カーボンニュートラル)実現を目指し、雇用を創出しながら温室効果ガス排出量の削減を促進します。
取り組みとして、エネルギー部門における脱炭素化、建物の改修およびエネルギー料金・使用量の削減、産業イノベーションによるグリーン経済への転換、クリーンで低コストかつ健康的な、私的移動手段・公共交通形態の普及などがあります。
これらの取り組みを行うことで動植物の生体環境を守り、経済・地球が次世代にも受け継がれるようにしています。
カナダ「温室効果ガス・オフセット・クレジット制度」|企業や自治体から国民まで温室効果ガス削減に取り組む
カナダ政府は2022年6月に、2030年排出削減計画の主要措置である「温室効果ガス(GHG)・オフセット・クレジット制度」を発表しました。カナダの自治体や森林経営者・農家・先住民などに温室効果ガス排出防止や、大気中の温室効果ガス除去などのプロジェクト実施を促す制度です。
制度の参加者はカナダ政府が定めたオフセット規約(温室効果ガス排出量削減・除去量の測定方法を規定したもの)に基づき、プロジェクトを行います。
温室効果ガスの排出・除去量1トンごとに「オフセット・クレジット」を1単位得ることができ、炭素汚染価格付け制度に基づいて排出が規制されている施設などに売却します。これにより、温室効果ガスの排出量削減にむけて貢献できます。
この制度では4つの分野をターゲットに設定し、取り組んでいます。今回発表された第1弾では、廃棄物などの埋め立て処理を行う産業の「メタン回収・分解」が対象となっており、大気中の二酸化炭素を直接除去し、地下に永久的に貯蔵する技術「大気中二酸化炭素直接回収・貯留」の導入も視野に入れています。
その他にも「高度冷凍」・「農業」・「森林管理」が対象となっており、第2弾「冷凍」分野は今秋に発表予定です。一度目を通してみてはいかがでしょうか。
カナダ政府公式サイト:https://www.canada.ca/en.html
日本の取り組み
日本政府は、自治体ごとに促進区域を設定することで太陽光などの再生可能エネルギーの拡大を促進、住宅・建築物への省エネ設備設置などの義務化、水素・蓄電池などの重点分野の研究開発および、社会実装を支援するイノベーション支援などの取り組みを行っています。
さらに2030年までに100以上の「脱炭素先行地域」を創出したり、二国間クレジット制度(JCM/発展途上国と協力して温室効果ガスの削減に取り組み、削減の成果を両国で分け合う制度)をもとに、優れた脱炭素技術などを活かして発展途上国にて、温室効果ガス排出量を削減しています。

引用:外務省公式サイト
企業の取り組み3選
ここまでEU・カナダでの取り組みと日本政府が行っている取り組みについて見ていきました。
次に日本企業の取り組みを見ていきます。
三菱地所グループ|二酸化炭素排出量の削減
三菱地所グループは、2019年3月にグループ全体の温室効果ガス中長期排出削減目標を策定し、4月にはSBTi(Science Based Targets initiative)よりパリ協定が求める水準と整合したものとして認定されています。
さらに2022年3月には、SBTiの1.5℃シナリオ(気温上昇1.5℃未満を達成すること)を満たし、2021年にSBTiが発表した「ネットゼロ新基準(The Net-Zero Standard)」に沿った目標の見直しを行いました。
3月に改定された二酸化炭素排出量削減目標では、2030年度までに自社における燃料使用に伴う直接排出・外部から購入した電力や熱の使用に伴う間接排出量の70%以上削減かつ、バリューチェーン全体からの間接排出量の50%以上削減や、2050年までに「ネットゼロ」達成が挙げられています。
株式会社NTTドコモ|脱炭素社会の実現
株式会社NTTドコモは、2030年に向けた温室効果ガス排出削減目標を策定し、2021年1月にSBTイニシアチブより認定を取得しています。そして脱炭素社会の実現を目指して、再生可能エネルギーの積極的な利用や、ICTサービス・最先端技術の提供、二酸化炭素排出量削減と気候変動への適応の貢献に取り組んでいます。
温室効果ガス排出削減目標のほかに、社会全体の持続可能な発展と地球環境保全に貢献する「Green Action Plan」という取り組みも実施しています。内容として、通信ネットワークの省電力化、再生可能エネルギーの利用拡大、カーボンニュートラルに貢献する製品・サービスの提供などがあります。
さらに、製品・サービスの調達から廃棄に至るまでのライフサイクル全体を通じて資源を有効利用する取り組みや、事業活動・社員活動を通して自然に寄り添い、生態系保全につながる取り組みの推進をしています。
東京ガスグループ|「Compass2030」エネルギーとソリューションを 暮らし、都市、地球の未来に
「Compass2030」とは、東京ガスグループが次世代のエネルギーをリードしながら価値を創出し続ける企業となるため設定した、経営ビジョンのことです。今後、エネルギーを扱う会社がどうあるべきか問われる10年になると考える東京ガスグループは、S+3E(Safety+Energy Security・Economic Efficiency・Environment)を根底としつつ、2030年に向けて変革を進めていきます。
東京ガスグループでは、2030年までに国内外での二酸化炭素削減貢献量1,700万トンを目指し、天然ガスの有効利用を柱として再生可能エネルギー電源の拡大、CCUS(二酸化炭素の回収・利用・貯留)技術の活用により、二酸化炭素排出抑制に取り組んでいます。
さらに、天然ガスの有効利用技術・ノウハウを電気や熱分野の脱炭素化や、CCUSなどにも活用することで、二酸化炭素の排出量と吸収量を同等とする「CO2ネット・ゼロ」にも取り組みます。
家庭・個人の取り組み4選
世界・日本政府・日本企業の取り組みをそれぞれ見ていきました。最後に私たちの日常生活の中で簡単に取り組める、温室効果ガス削減の取り組みについて紹介していきます。
電気の節電
家庭内で電気の使用量を減らすことで、温室効果ガス削減につながります。エアコンの設定温度を夏は28℃、冬は20℃とすることで大きく節電できます。
そのほかにもテレビを使用しないときは消したり、使用していないコンセントからプラグを抜くことも取り組みのうちの1つです。
水の節約
日本の水は浄水場できれいにしているため、水道からの水を飲めますが、浄水所できれいにして家庭に運ばれるまで膨大なエネルギーを使用しています。そのため、節水をすることも地球温暖化防止につながります。
お風呂でのシャワーや歯磨き中に水を出したままにしていないか注意してみましょう。
マイバッグの持参
スーパーやコンビニでもらうプラスチックバッグは大量のごみとなり、ごみの運搬・焼却の際にも大量の温室効果ガスが排出されます。買い物に行く際にはマイバッグを持参し、ビニール袋を貰わないよう心がけることも重要です。
また、商品を選ぶ際にも簡易包装でごみがあまり出ないものを選んでみてはいかがでしょうか。
植物の栽培
近年森林が大量伐採されている影響で温室効果ガスが吸収されず、気温上昇が発生しています。このような気温上昇を緩和するためには、緑を増やすことがとても重要です。
ゴーヤ・キュウリ・ヘチマなどの植物は、窓から入り込む日差しを遮るグリーンカーテンとなるため、節電にもつながります。さらに育てたあとは食品として使用することもできるためとても有効な手段です。
まとめ
森林の減少や自動車の使用、化石燃料の依存などにより温室効果ガスは排出されます。これらが原因で地球温暖化は促進され、海面上昇や動植物の絶滅、気候変動などの問題が生じます。
さらなる悪化を防ぐため、世界・日本では温室効果ガス削減目標を策定しており、達成に向けて再生可能エネルギーの導入など、さまざまな取り組みを行っています。しかし現在の取り組みのままでは、パリ協定の目標達成は困難です。
日本においても再生可能エネルギーの導入が拡大しているものの、化石燃料に依存している点を改善することがとても重要です。
政府や企業に限らず、私たちの私生活で温室効果ガスのことを考えた行動も、持続可能な社会の実現に必要なことです。節電・節水や植物の栽培など、簡単にできることをはじめてみませんか。