《SDGs事例集》食卓に笑顔を届ける|エスビー食品株式会社

#SDGs目標12#SDGs目標2#SDGs目標3#持続可能な原料調達 2022.02.03

この記事をSNSでシェア!

 

エスビー食品株式会社(以下、エスビー食品)は「赤缶カレー粉」や「テーブルコショー」などの商品で知られている食品メーカーです。

日本初のカレー粉の製造に成功し、スパイスとハーブ開発の先駆けとしてさまざまな製品の普及に尽力してきました。

1923年の創業からおいしさの追求を続けるエスビー食品のSDGs戦略とはどのようなものでしょうか。

この記事ではエスビー食品の事業内容をはじめ、SDGs戦略や活動まで幅広く紹介していきます。

カレー粉から始まったエスビー食品の歴史

1923年に浅草に創業したエスビー食品

エスビー食品は1923年に浅草七軒町に「日賀志屋」として創業されました。この屋号には「一日一日を賀び、志をたてて商売にいそしみ励む」という信念が込められています。

1930年に日本初のカレー粉「ヒドリ印カレー粉(家庭用)」を発売しました。ヒドリ印とは社運が日が昇る勢いであるように、また鳥が自由に大空をかけめぐるように、商品が行き渡る願いを込め、「太陽」と「鳥」を図案化したものでした。

このヒドリ印にSUN(太陽)とBIRD(鳥)の頭文字である「S&B」を併記し商標としたことから、1949年には社名を「エスビー食品株式会社」に変更しました。

2015年には事業所内保育園「バジリッコ保育園」が開園され、その翌年の2016年には厚生労働省の女性活躍推進法に基づく『えるぼし認定(2つ星)』企業に認定されるなど、女性や子どもを支援する新たな取り組みにも力を入れています。

設立年 1940年(昭和15年)4月
資本金 1,744百万円
売上高 100,040百万円
従業員数 1,465人(単体)
事業 カレー、コショー、ガーリック等香辛料とチューブ入り香辛料等の香辛調味料、即席カレー、即席シチュー、レトルト食品、チルド食品、生ハーブ及びハーブ関連商品他各種食品の製造販売

*2021年3月31日現在

エスビー食品の事業

エスビー食品は食料品事業と調理済食品の2つの事業であり、食料品事業の中で4つの製品グループを展開しています。

①スパイス&ハーブ

日本で初めて純国産カレー粉の製造に成功して以来、豊富な品揃えの「SPICE&HERB」シリーズ、安全・安心に配慮した「ORGANIC SPICE」シリーズなどの洋風スパイスやシーズニングスパイス、フレッシュハーブなどの商品を幅広く展開しています。

②即席

スパイス・ハーブ事業の技術を活かして1966年にゴールデンカレーを発売して以降、時代の流れとともに変化するニーズに応え、固形ルウ、パウダールウ、アレルギー対応食品などを展開しています。

③香辛調味料

ガーリック等香辛料やチューブ入り香辛料等の香辛調味料などを発売しています。本格的な味を気軽に楽しむことができます。

④インスタント食品その他

「カレー曜日」「噂の名店」などの多彩なレトルトカレーや、「まぜるだけのスパゲッティソース」「予約でいっぱいの店のパスタソース」など人気ブランドを揃えたパスタソース、ロングセラーの「おでんの素」、フランスで最も愛されるジャムブランド「ボンヌママン」などを幅広く展開しています。

エスビー食品の経営理念

エスビー食品はグループで創業理念・企業理念・ビジョン・行動規範の4つを掲げ、組織全体で社会に貢献することを目標としています。

創業理念

「美味求真」

お客様に喜んでいただくために、ただひたすら真っすぐに”本物のおいしさ”を追い求めます。

企業理念

「食卓に、自然としあわせを。」

一)常に研究を怠らず、創意工夫をこらして高い品質と新たな価値を創出します。
二)常にお客様の視点で考え、心から満足していただける製品を追求します。
三)常に自然に感謝し、食卓から幸せな生活と豊かな社会づくりに貢献します。

ビジョン

「地の恵み スパイス&ハーブ」の可能性を追求し、おいしく、健やかで、明るい未来をカタチにします。

行動規範には、「お客様の満足と安心の提供」「循環型社会への対応」や「地域との共生と社会貢献」などが掲げられており、企業としての役割が明記されています。

エスビー食品は、日々変化するニーズに寄り添い常に価値の高い製品を提供することを目指し、数多くの食料品を届けると同時に健康と幸せを届けています。

エスビー食品とSDGs

エスビー食品のサステナビリティ推進体制

エスビー食品はESG経営を推進するために、サステナビリティ委員会を年に2回、開催しています。

外部の専門家の協力のもと、食品業界に関連する社会課題を網羅的に抽出し、ステークホルダーへのアンケートを通して、重要度を評価しました。

各マテリアリティを踏まえてエスビー食品ミッションを設定し、方針、活動テーマ、評価を明文化しています。

【引用】エスビー食品のサステナビリティ | S&B エスビー食品株式会社

エスビー食品のSDGs取り組み

ここではエスビー食品のSDGsへの取り組みの一部をご紹介します。

持続可能な調達に関するコミットメントを制定|SDGs 目標 ①⑧⑩⑫⑮

香辛料調達

エスビー食品は企業理念である「食卓に、自然としあわせを。」の実現に向けて香辛料やパーム油、紙などの原材料を持続可能性を持って調達することを目指しています。

2019年5月にはステークホルダーに向けたコミットメントとして、中長期的な調達方針を公開しました。

2030年を目標として安全・人権・環境・コンプライアンスに配慮した持続可能な調達のためにフェアトレードなどの取り組みを行なっています。

フェアトレードとは公平・公正な貿易を意味しており、途上国との経済格差をなくすため原料や製品を適正価格で継続的に購入することです。

エスビー食品では2009年から「有機スパイス」シリーズの一部に認証付きの商品を展開しています。

【引用】ttps://www.sbfoods.co.jp/company/sustainability/society/procurement/fair_trade.html

エスビー食品は、市場よりも高い価格での購入を保証しており、原料の購入数量に応じて、生産者組合に直接フェアトレード・プレミアム(奨励金)を支払います。それにより、生産者の自立を促すとともに安全調達や環境保全にもつなげることができます。

認証パーム油を使用

パーム油とは、アブラヤシの果肉から採れる油脂で、カレーやシチューのルウ製品を製造する上で主要な原材料です。

【引用】パーム油の調達の取組み

パーム油は世界的にも需要が高く、食品以外にも化粧品などに利用されており、植物油脂の中で最も多く使用されています。

しかし、農園開発のための熱帯林伐採による生態系の破壊や、農園労働者の人権問題が注視されています。

エスビー食品は2017年に適切な管理・製造・流通がなされているパーム油であることを証明する団体RSPOに加盟し、2018年11月より、認証パーム油の使用を開始しました。

2021年5月の時点でRSPO認証油の比率は17.2%となっており、エスビー食品グループ全製品に使用しているパーム油を2023年までに100%RSPO認証油に切り替えることを目標にしています。

認証紙への切り替え

世界的に森林の減少が拡大しており、面積減少のみならず天然林が人工林に変わるなど、森林の質の低下も深刻な課題となっています。

紙は森林を資源とし、紙の使用は森林課題に結びついています。

エスビー食品では、製品に使用する紙の資材を適切な森林資源由来であるFSC認証紙に切り替えることで長期的な森林資源の利用を積極的に進めています。

食品ロス削減、省資源化に対応した商品|SDGs③⑫⑰

エスビー食品では、3R(リユース、リデュース、リサイクル)を推進するプロジェクトチームを組織し、新商品の研究開発や既存品の見直しを行い、環境に配慮した容器開発や商品設計に取り組んでいます。

2020年度においては、家庭用パスタソース商品での中袋サイズ変更や、粘体香辛料、即席ルウ、フレッシュハーブなどの資材の重量削減を行うことで年間約41トンの包装資材削減を実現しました。

他にも、中袋の一部にバイオマスプラスチックを使用することで、年間約22トンのCO₂削減を実現しました。

まとめ

食品で日本を豊かにした実績を持つエスビー食品。限りある食資源に対して責任を持って取り組んでいることがわかりました。

その熱い思いと技術でこれからも食卓と持続可能な開発に向けてエネルギーを注いで欲しいと期待が高まります。

エスビー食品のインタビュー記事はこちら

SDGsの取組みは”超長期財務領域”|共通言語としてのSDGsに取り組むエスビー食品

この記事をSNSでシェア!

  • ランキング

    「SDGsは胡散臭い」と言われる5つの理由【解説】|原因から解決法まで徹底解説

    《あなたは正解できる?》SDGsを目標別のクイズで学ぼう!SDGsクイズ

    日本のLGBTの割合は人口の約10%-高校生での割合や海外との比較も紹介

    新着記事

    省エネからSDGsへ|ブロンコビリーが取り組むサステナブルな取り組み

    SDGsの基礎知識

    食品ロスとは?原因や日本と世界の現状、家庭でできる対策を紹介

    もっとみる

    おすすめ

    《SDGs事例》ユニリーバ ”世界一サステイナブルなビジネスのための旅に”

    【SDGs事例集】次世代の最強資源”藻”を石巻から世界へ|イービス藻類産業研究所

    《SDGs事例集》脱炭素を目指すデータセンターを地方で|株式会社ハイレゾ