《SDGs事例集》地球も体も健康に。野菜の会社が挑むSDGs|カゴメ株式会社

#ジェンダー#健康#教育#環境#食品 2021.10.04

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カゴメ株式会社(以下、カゴメ)は、「トマトジュース」「野菜生活100」「トマトケチャップ」などトマトをはじめとする新鮮な野菜を使った飲料・食品・調味料の総合メーカーです。

野菜を育てる農事業から商品を消費者に届けるまで、すべての工程を担うカゴメ。「自然を、おいしく、楽しく」のブランドステートメントのもとで”トマトの会社”から”野菜の会社”へと進化しているカゴメは、体と地球の健康のためにどのような取り組みを行なっているのでしょうか。

このページでは、カゴメの事業内容からSDGs実現に向けた取り組みまで幅広くご紹介します。

【引用】カゴメ株式会社|カゴメ株式会社

カゴメ株式会社/事業

カゴメの概要

1899年の創業から「自然の恵みである農産物の価値を活かして、人々の健康に貢献したい」という思いを商品に込め、事業を展開してきました。1966年には世界で初めてプラスチックチューブ入りケチャップを発明し「トマトジュース」「野菜生活100」など代表的な商品を世に送り出してきました。

現在では、山梨県北杜市に高根ベビーリーフ菜園を設立し、ポルトガルにカゴメアグリビジネス研究開発センターを設立するなど開発にも注力しています。

食品・飲料・農業・業務用・通販などあらゆる事業を展開するカゴメ。100年を超える歴史を持つ今も、時代のニーズに応えるためにこれまでにはなかった商品を開発し続ける会社です。

【引用】企業情報サイト

創業 1899年
設立 1949年
資本金 199億8500万円
事業内容 調味食品、保存食品、飲料、その他の食品の製造・販売、種苗、青果物の仕入れ・生産・販売
連結従業員数 2,684名(2020年12月31日現在)
連結売上収益 1,830億円(2020年12月期)

カゴメの主な事業

カゴメでは事業として、調味食品、保存食品、飲料、その他の食品の製造・販売、種苗、青果物の仕入れを行っています。事業活動は、自然の恵みである「農産物の価値」を活かすことを軸に行われています。また、人の健康長寿に貢献するための研究開発や品種改良・加工技術の開発にも携わっています。さらにトマトに関しては、農業から調達・生産・加工・販売にいたるまで一貫したバリューチェーンを持った企業として、「価値ある商品」を届けています。

カゴメは事業の強みとして、2つのポイントを挙げています。

1つ目は、国内ナンバーワンのシェアを誇る商品群についてです。調味食品・飲料事業において、「トマトケチャップ」は60.3%、「トマトジュース」は55.5%、「野菜ミックスジュース」は44.1%、「野菜果実ミックスジュース」は55.7%と国内トップのシェアを誇っています。

【引用】事業と特長

2つ目は、緑黄色野菜の供給量についてです。

日本の緑黄色野菜の消費量の17.6%をカゴメが供給しています。これは、緑黄色野菜の消費量341万トンのうち、カゴメの緑黄色野菜供給量が60.0万トンも占めていることになります。

【引用】事業と特長

理念体系

カゴメの理念体系は「企業理念」を中心に、「ブランドステートメント」「2025年にあるべき理想の姿」から構成されています。

カゴメのビジネスモデルは、モノづくりの基盤となる畑の土壌管理や生産者の支援、種苗の開発、原料の調達、加工、商品の販売までを担い、お客様の健康寿命の延伸に貢献するものになっています。

【引用】企業理念・ブランドステートメント

企業理念

企業理念は、「感謝 自然 開かれた企業」です。

企業理念では、自然の恵みと人との出会いを尊重していくことやお客様の健康に貢献していくことが示されています。また、企業として公正で透明な開かれた企業にしていくことも明言しています。

ブランドステートメント

ブランドステートメントは「自然を おいしく 楽しく」です。

ブランドのありたい姿として、自然独自の抗酸化力や免疫力を活用して体に優しい美味しさを実現することを目指しています。

さらに、地球環境と体内環境に配慮しながら食の楽しさを提供していくことも示しています。

2025年にあるべき理想の姿

2025年にあるべき理想の姿として、日本や世界が抱えるあらゆる社会課題の解決に、これまで培ってきたトマトや健康への知見で積極的に取り組み、持続的に成長できる「強い企業」「野菜の会社」を目指しています。

また、今後20年から25年後までに社員から役員まであらゆる階層の女性比率を50%以上とすることを目指しています。

【引用】企業理念・ブランドステートメント

カゴメとSDGs

カゴメは「食を通じて社会問題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」という目標を持っています。

この目標に向けて、自社内部の改善と商品の両者からさまざまな取り組みを行っています。

企業としての取り組み

自治体、大学、他企業と幅広く連携。社会問題の解決に挑む

関連するSDGs

カゴメは、各地の営業拠点が中心となり、2019年6月までに15都道府県5市1町1団体と協定を結び、地域の農業振興や健康づくりに積極的に取り組んでいます。

地元の農産物を使用した商品の展開やレシピの共同開発、食育やトマトの栽培指導といった地域の農業振興や健康づくりに積極的に取り組んでいます。

また、健康寿命の延伸に向けて成人1日あたりの野菜の摂取量を350gにすることを目指しており、この目標を持つ自治体、大学、他企業とも協力しています。

「モノ」から「コト」へ。3つの社会課題につなげる体験型野菜テーマパーク

【引用】野菜生活ファームとは│野菜生活ファーム

カゴメは2019年4月26日、長野県富士見町に「カゴメ野菜生活ファーム富士見」を開園しました。

ここでは、野菜の学習や野菜の収穫、それらを利用した調理ができます。

また、農業生産における環境配慮の観点から、隣接する工場で排出した水や熱エネルギーを農場で活用する計画です。

これまでの「モノ(商品)」を販売するだけでなく、「コト(サービス)」を提供することにより、「健康寿命の延伸」「農業振興・地方創生」「食糧問題」といった3つの社会課題の解決に貢献できます。

セネガルでトマト産業と技術革新の基盤を作る。「畑から」を大切に。

関連するSDGs

カゴメでは、セネガルにおいて現地の土地を借り、自社が長年培ってきた栽培・営農技術を現地で雇用した人々に教える取り組みも行っています。

セネガルは、トマトの消費量が多く、栽培が上手くいかなかった場合はその多くを海外からの輸入で賄っていました。

カゴメでは、農業から1次加工までの過程を創業時から大切にしてきました。だからこそ、
新規に開拓する海外市場であるセネガルでも自社が培ってきた畑(農業)からの取り組みを活かすことにしたのです。

【引用】セネガルに加工用トマトの営農会社を設立

この取り組みは、地産地消を促進することや雇用の拡大・所得向上にも貢献しています。

カゴメは、最終的にセネガルでのトマト産業の活性化を目指しています。

【引用】始まった食品事業者の取組:カゴメ株式会社:農林水産省

コミュニケーションを活性化させてダイバーシティを推進。決められた時間内の成果を評価する仕組み

関連するSDGs

また、カゴメでは、SDGs 5・8・10の目標達成に向けてそれぞれの取り組みを行なっています。

目標5「ジェンダー平等を実現しよう」目標10「人や国の不平等をなくそう」では、多様な人材が働き続けることができる仕組みづくりと社内の意識改革推進を目指しており、「ダイバーシティ委員会」が中心となってその役割を担いました。

「ダイバーシティ委員会」とは、2018年10月までの3年間限定で設置されたダイバーシティ推進室と全事業所の代表者からなる組織です。

ダイバーシティの本質はコミュニケーションにあると考え、立場の異なる人同士のコミュニケーションが活性化するようなイベントの開催や、各事業所におけるダイバーシティを阻害する要因について議論を行なっています。

目標8「働きがいも経済成長も」の実現に向けて、カゴメでは残業を良しとするのではなく、「決められた時間内で高い成果を上げた社員が評価される」といった考え方が浸透するようになりました。これは、短い時間で成果を上げるために行われた、徹底したペーパーレス化や会議時間の短縮がもとになっています。従業員一人ひとりのスケジュールを管理するタイムマネジメントの積極的な活用や、各自の業務でのKPIの設定などにより、業務の効率化や課・チーム単位の生産性の向上も行われました。こうした結果、2017年度に約1,980時間だった年間総労働時間は、2018年度は約1,930時間となりました。2020年には*1,800時間までに削減することを目指しています。

*1,800時間・・・224日(休日と有給20日を除く労働日数)×1日8時間労働

【引用】始まった食品事業者の取組:カゴメ株式会社:農林水産省

環境に配慮した商品への取り組み

カゴメは環境配慮型商品とシステムの研究・開発を行なっています。今回はその一部をご紹介します。

FSC®︎認証紙パック

関連するSDGs

カゴメの飲料商品で使用されているすべての200ml紙パックにFSC®︎マークがついています。

【引用】環境配慮型商品とシステムの研究・開発

FSC®︎(Forest Stewardship CouncilR:森林管理協議会)は、木材を生産する森林と森林から切り出された木材の流通や加工の過程を認証する制度を管理する国際的な機関のことをいいます。

責任ある森林管理から生産された商品であることを消費者が認識できる仕組みになっています。

FCR®︎のマークがある商品を購入することで、その商品に海外で生産された木材が使用されていても環境や社会に大きな負荷をかけていないことが証明されるということです。

カゴメは2014年9月にFSCマークのついた紙パック飲料として「野菜生活100 ORGANIC有機野菜&有機果実使用」を導入し、2015年3月には、主力商品の一つである「野菜一日これ一本」、2015年10月には「野菜生活100シリーズ リーフパック」「野菜一日これ一本 リーフパック」にもFSC認証の紙パックを採用しました。

今後は、さらにFSC認証紙パックの使用を拡大し、サステナブルな社会の実現へ貢献していくそうです。

「たたんでくれてありがとう」

飲み終わった紙パックを分別し、容器をたたみ減容化したお客様に対して、感謝を表したメッセージ「たたんでくれてありがとう」を容器に表示しています。

【引用】環境配慮型商品とシステムの研究・開発

2008年から200ml容器でこの取り組みがスタートし、現在では100ml・125mlの容器にも拡大しています。この取り組みは他企業へも拡大しています。

ここで紹介しきれなかったカゴメの環境への取り組みはこちら

まとめ

「食を通じて社会問題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」という目標のもと、さまざまな取り組みを行なっているカゴメ。

自社だけにとどまらず、商品までも環境に配慮する姿勢によって私たち消費者も分かりやすくSDGsに貢献できるようになっていると感じました。

2025年までに持続的に成長できる「強い企業」「野菜の会社」になることを目指し、取り組みを広めていくカゴメの今後に注目です!

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