【更新日:2023年6月12日 by 中安淳平】
株式会社日建ハウジングシステムは、高品質な住宅や建築プロジェクトの計画・設計を提供する企業です。持続可能性やマンション建替にも注力し、顧客のニーズに合わせたカスタマイズされた住宅ソリューションを提供しています。また、竹を建材として活用した住宅の製作にも取り組んでいます。今回は、日建ハウジングシステムが発表した竹の集成材としての活用について紹介していきます。
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日建ハウジングシステムについて
会社名 | 株式会社 日建ハウジングシステム |
代表取締役社長 | 宇佐見 博之 |
設立 | 1970年7月 |
資本金 | 2,000万円(株主:日建設計100%) |
事業内容 | 「集住施設」の企画・設計監理、コンサルタント、及び「集住施設」に関連する調査・研究・商品開発 等 |
従業員数 | 126名 (2022年4月1日現在) |
日建ハウジングシステムの事業内容
株式会社日建ハウジングシステムズは、東京都文京区に本社を構える建築設計事務所です。彼らは主に集合住宅プロジェクトの企画、設計、監理、コンサルティングのエキスパートとして、集合住宅に特化した専門知識を持つチームが、低層から中層、超高層まで様々な分野の集合住宅の設計に取り組んでいます。
「⽵でイエを建てちゃおう!プロジェクト」第二弾の概要
日建ハウジングシステムは鹿児島県薩摩川内市からの相談を受け、竹を利用した建築の研究に取り組んできました。竹は日本全国で過剰に増殖しているため、その利用方法を開発することが課題でした。7年の歳月を経て、竹の集成材を使用した家の建築が実現できる事を発表しました。
また5月11日に、大阪市内で開かれた「竹でイエを建てちゃおう!プロジェクト 第2弾~竹集成材構造モデルプロジェクト〜」の発表会には、落語家・月亭方正さんが応援隊長として出席しました。
引用:「窓」のリノベがアツい!補助金でお得? 落語家・月亭方正さんは「竹でイエ!…」エコ住宅最前線
⽵の利活⽤に取り組む⽬的
戦後、日本では多くの竹が植えられ、日用品や家具、建築材料などに利用されていました。しかし、安価な輸入竹材や加工しやすいプラスチックの登場により、国内の竹の需要は減少しました。その結果、放置された竹林が山を侵食し、森林の劣化や野生動物被害などの「放置竹林問題」が全国的に広がっています。
竹は繁殖力に富んだ植物であり、その特性から竹を消費することは環境保全につながります。一般的な資材では少なく使用することが推奨されますが、竹は成長が早く、切ってもすぐに新しい竹が生えてきます。木材が建築材料として使用できるようになるには、針葉樹で約40〜60年、広葉樹で150〜200年かかると言われています。一方で竹は2〜3年で成長するため、竹の方がはるかに短い時間で供給できます。この成長力の高さから、竹の利用は里山の保全を含めた環境保全につながると言えます。
また、竹の伐採と加工により新たな産業を生み出し、地域創生の一翼も担っています。木は少なく使うことで環境保全に役立ちますが、竹はその繁殖力により消費することによって環境保全となるのです。竹はCO2を吸収し、短期間で循環するため、使用すればするほど脱炭素社会の実現に貢献するエコな植物なのです。
⽵集成材構造プロジェクト
竹は、杉などの木材と比較して高い強度を持ち、集成材にすることでさらに強度を増すことができます。ただし、竹はイネ科の植物であり、木材とは異なるため、JISやJASには規定されておらず、建築構造材として直接利用することはできませんでした。
しかし、このモデルプロジェクトにおいて、竹集成材の個別の性能評価を取得し、竹を構造材として建築に利用することが可能であることを証明しました。竹を活用するにはまだコストがかかります。大きな断面の部材を使用すると費用がかかり、また材料が重いため施工に手間がかかります。
コストの問題と竹集成材の強度を活かすため、このプロジェクトでは小さな部材を組み合わせて建築を行うシステムを考案しました。これにより、小さな部材でも十分な強度を持つ建築物を実現することができます。
その他のSDGsの取り組み
ここでは日建ハウジングシステムのその他のSDGsへの取り組みについて紹介します。
設計会社ではたらく女性のためのウェアを製作「SWITCH WEAR」
「SWITCH WEAR」プロジェクトは、働く人々が自分たちらしいウェアを身に着けて仕事に臨みたいという想いから仕事に必要な要素を考え、生地やデザインからオリジナルのウェアを作り上げました。このウェアを手にした時のわくわく感を多くの人に感じてもらい、着るだけでスイッチが入るような一着を形にしようと、「SWITCH WEAR」が誕生しました。
ウェアの一例として、設計会社で働く女性のためのポータブルウェアがあります。いくつかの現場へ移動が多いために持ち運びがしやすく、かさばらず軽量であることが最優先されました。建築資材にも使用される「タイベック」という素材が採用され、軽さとコンパクトさが実現されています。また、生地の表情にはシワがあり、質感のあるウェアとなっています。
まとめ
竹を利用することで、その成長の速さと再生力を活かし、竹の加工場が増えることでさらなる可能性が広がることがわかりました。また、竹は持続可能な資源であり、環境保全に貢献しながら多様な用途に利用できる素材のため、竹の活用は将来的にさらなる発展が期待されます。
今後の株式会社日建ハウジングシステムの、SDGs の取り組みに注目です。