くら寿司100%出資のKURAおさかなファーム設立|「スマート養殖」で人手不足解決や、国内初のオーガニックフィッシュを生産

#SDGs目標9#持続可能 2021.10.29

この記事をSNSでシェア!

【更新日:2021年11月9日 by おざけん

提供:くら寿司株式会社

回転寿司チェーン「くら寿司」を運営するくら寿司株式会社は、海洋資源の保全と漁業の持続可能な発展に貢献すべく、子会社「KURAおさかなファーム株式会社」を2021年11月1日(月)に設立することを発表した。

かつては世界一の水産大国であった日本だが、生産量も世界と比べ大幅に減少しており、漁業が衰退してきている。背景としては、少子高齢化や都会への若者流出による後継者不在などに起因する、人手不足が挙げられる。一方、海外の魚食ブームにより、魚の価格は年々上昇しており、安定した価格と量の供給が必要になってきている。このような状況を受け、くら寿司株式会社は子会社「KURAおさかなファーム株式会社」を通して、「持続可能な漁業」と「食材の安定供給」、高品質でリーズナブルな寿司の提供を目指す。

主な事業内容としてまず、漁業協同組合に加入し漁業権取得を得て、高付加価値な魚を自社ファームで育てる。国際的基準を満たしたオーガニック水産物として、日本で初めて認証取得した「オーガニックはまち」の生産を開始。国内での流通に加え、海外輸出も視野に入れるとともに、他魚種の生産についても検討している。

また、人手不足と労働環境改善を目指し、AIやIoTを活用した「スマート養殖」も開始し、持続可能で国際競争力のある水産経営モデル創出する。外部の生産者への委託養殖となるが、新会社が中長期契約で全量買い取りすることで、「生産者の方々の収入安定化」を狙っている。

将来的には、養殖だけではなく、これまでくら寿司が10年以上かけて協力体制を構築してきた全国の漁協等と提携し、国産天然魚の卸売り事業も計画している。販売先はくら寿司とともに、全国のスーパーにも広げることで、漁協の販路開拓につなげていく考えだ。

KURAおさかなファーム株式会社については以下参照。

<企業概要>
・設立:2021年11月1日
・所在地:大阪府貝塚市小瀬188
・代表者:代表取締役社長 田中信(くら寿司株式会社 取締役副社長)
・資本金:1,000万円
・出資構成:くら寿司株式会社100%
・事業内容:水産物の生産および卸売業

<設立の目的>
【養殖事業】養殖を自社で事業化することで、川上から川下まで一気通貫の体制を構築する。
【漁業創生】くら寿司が得意とする先端技術と水産業界のノウハウを結集し、持続可能で国際競争力のある水産経営モデルを創出

<3つの事業内容>

提供:くら寿司株式会社

SDGs目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」では、「包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用およびGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。」というターゲットが設定されている。今後の、KURAおさかなファームの取り組みに期待したい。

この記事をSNSでシェア!

  • ランキング

    新着記事

    アシックスの新しいランニングシューズNIMBUS MIRAI(ニンバスミライ)

    SDGsの基礎知識

    食品ロスとは?原因や日本と世界の現状、家庭でできる対策を紹介

    もっとみる

    おすすめ

    FAOと国連WFP、20カ国以上で深刻な飢餓が発生すると警告|新型コロナやサバクトビバッタが影響

    ユニクロ、錦織圭選手とのテニスを通じた次世代育成イベントを12月4日開催|社会の持続的な発展に貢献

    横浜・都内3ホテルで環境配慮の化粧品配布|神奈川大がグローバルホテルとの連携開始

    【ウェビナー・参加費無料】DataseedがESGデータドリブン経営に関するウェビナーを開催|市場評価され続ける企業のESGとは?