【SDGs事例集】日本におけるオキアミのパイオニア|広松久水産株式会社

2023.03.30

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広松久水産株式会社(以下、ヒロキュー)は、1965年に福岡県で創業した、主に釣りエサの総合卸売を行う会社です。

今や釣りエサの代表格となった「オキアミ」に日本で最初に目をつけ、いち早く取り入れたオキアミのパイオニア企業として知られています。

今回は、近年サステナブルな観点でも注目を集めるオキアミを扱うヒロキューについて紹介していきたいと思います。

ヒロキュー / 事業

ヒロキューの概要

ヒロキューは1965年に福岡で釣り餌卸業として創業し、1975年ごろには現マルハニチロと南氷沖でオキアミの試験捕獲をして以降、オキアミ事業を拡大していき、今ではオキアミの日本唯一の総合メーカーになりました。1996年にはCI導入*を図り「ヒロキュー」のサブネームを採用し、現在はフィッシングレジャー事業も手掛けています。

CI導入*…企業の個性を明確にして企業イメージの統一を図り、社の内外に認識させること

創業 1965年4月
資本金 3000万円
従業員数 130人
事業内容 釣りエサの総合卸メーカー

 

ヒロキューの経営理念

ヒロキューの経営理念は、「生きる力の原点と。」です。

ヒロキューのSDGsの取り組み

ここではヒロキューが行うSDGsへの取り組みをご紹介します。

知られざるオキアミの可能性|SDGs目標⑭

約50年前からオキアミ事業を行ってきたヒロキューですが、まだまだオキアミの認知度とその可能性について知られていない部分が多いと言います。オキアミと聞かれて正しく説明できる日本人がどれほどいるのでしょうか。

そもそもオキアミとは、エビの形をした小さな甲殻類で、主にクジラや魚類の天然のエサとなるプランクトンです。そんなオキアミがなぜサステナブルな資源として注目されているのかというと、その壮大な繁殖数にあります。オキアミは、世界に推定4〜5億トン生息していると言われており、ヒロキューが漁獲を行っているナンキョクオキアミの人類による捕獲量は、わずか0.06%〜0.13%程度と言われています。また、一度の産卵で6,000〜10,000個の卵を産卵するという極めて高い増殖率で、個体数は一定に維持されています。そのため、海洋汚染や温暖化の影響による個体数の減少の可能性はありますが、人類の漁獲による資源の枯渇の心配はないとされているのです。

また、オキアミは、高タンパク、高栄養素であり、アスタキサンチンも含んでいます。このアスタキサンチンは強い抗菌作用を持ち、それはビタミンCの100倍、ビタミンEの1000倍とも言われています。抗炎症作用、動脈硬化抑制作用、がん発症抑制作用、糖尿病抑制作用、ストレス抑制作用をはじめ、目や脳、肝臓などの体の組織の性能を高めるのです。

そんな繁殖力も高く、栄養的な観点でも優れているオキアミは、生態学的な価値連鎖上では低位にあるため、食品や栄養素の供給源としてオキアミを使用することはエネルギー効率の点で非常に優れていると言われています。栄養たっぷりのオキアミですが、まだまだ食料として認知されているとはいえません。ヒロキューは、栄養価も高く、旨味を多く含む食材「オキアミ」を通じて食卓にもっと美味しい笑顔を届けたいと考えています。

また、ヒロキューは「クリルオイル」というオキアミから抽出された脂質成分に含まれるオメガ3系脂肪酸であるDHAやEPA、ビタミンA・D等が有効成分として含まれている点に着目し、サプリメントとして利用しています。リン脂質型のオメガ3系脂肪酸は、水溶性の細胞質に近い構造を持ち、速やかに体に吸収されやすい特長があります。加えて、オキアミはアスタキサンチンを含有しているため、強い抗酸化作用を併せ持っており、まさにサプリメントに最適なのです。

まとめ

正直、釣りもしない私はオキアミをクジラが食べているプランクトン程度としか捉えていませんでしたが、オキアミは人間にとっても食料として有用なサステナブルな資源であることが分かりました。

今はSDGsという言葉で、持続可能な資源に注目が集まりますが、オキアミの可能性に約50年前から気づき、事業を拡大させてきたヒロキューは先見の明がある企業だと感じました。

今後もオキアミ、そしてヒロキューの活動から目が離せません。

 

 

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