【必見】SDGsと建築|実際の事例を建築ガイドに沿ってわかりやすく紹介

2021.07.01

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私たちが普段住んでいる家や通っている学校、会社などの建物は、私たちが生活していくためには欠かせないものです。そんな、私たちの生活を豊かにする空間を創造する建築業界においても、SDGsに対する取り組みが広がっています。

しかし、建築業界とSDGsと聞いて具体的な取り組みを知っている人は少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、建築業界がどのようにSDGsに対して取り組んでいるのかをご紹介します。

 SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

SDGsと建築

建築の重要性

建築といば、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。

家や学校、病院などの身近な建物、または美術館などの芸術性に富んだ建物を想像した人もいるかもしれません。その他にも京都の和風建築に代表される、各地の景観を維持するための建築など、建築にはさまざまな目的があります。しかし建築の本来の目的は、人が雨や風に悩まされずに快適に暮らしていくための建物を建てることです。

現在、世界の10億人以上の人が家がない状態とされています。彼らに快適で衛生的な住居を提供することは、建築が大いに関わってくることであり建築業界の働きかけによっては、彼らに低コストで効果的な住居や学校などを提供することができるかもしれません。

建築とSDGsの関係性

SDGsの各目標を見ると、建築はどの項目とも関わっていることがわかります。

例えば、SDGsの2つ目の目標の、「飢餓をゼロに。飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する。」には、建築によって食料生産に適した環境を作り、促進させることで貢献できます。食糧生産に適した土地があまりない地域では、より一層その重要性は高まってきます。

建築環境によっては、材料の生産から最終的に解体されるに至るまでに大量のエネルギーを消費します。しかしその一方で、太陽光パネルによる発電などその土地の地理や気候を活かすことでエネルギー消費を抑え、さらには生産することも可能です。これはSDGsの7つ目の目標である、「安価で安全なエネルギーをみんなに。安価で信頼できる持続可能な新しいエネルギーをみんなに確保する。」と関わってきます。またエネルギー消費を抑えることは、廃棄物の発生を抑えリサイクルやアップサイクルをすることにもつながり、SDGsの12個目の目標である「つくる責任、つかう責任。持続可能な生産と消費のパターンを確保する。」とも関係してきます。

バリアフリーな建築や、女性やLGBTの人々も不自由なく使える建築は、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう。」や目標10の「人や国の不平等をなくそう。」目標11の「住み続けられるまちづくりを」などに貢献しています。

このように、効果的な建築環境について考えることは、持続可能な未来を実現するためにも必要不可欠なのです。

SDGs建築ガイドとは

 SDGs建築ガイドの概要

上述のように、建築環境に配慮することはSDGsとも関わってきますが、SDGsを踏まえて国際建築家連合は「17の国連SDGsに対する建築ガイド」を作成しています。

このガイドは、具体的な事例とともにSDGsの各目標と建築環境との関係性を概説しており、建築に関係する人々にインスピーレーションを与え、建築がいかにSDGs達成に貢献できるかを示しています。フルカラーで写真も豊富なので、非常に読みやすいものとなっています。この建築ガイドは2018年に第1巻が、2020年には事例の数が大幅に増えた第2巻が刊行されています。

日本建築家協会は「SDGs建築ガイド日本版」を刊行していますので、興味のある方はこちらをご覧ください

http://sys.jia.or.jp/news/detail.html?id=1119

SDGs達成のための建築の事例

では、具体的にSDGs達成のための建築にはどのようなものがあるのでしょうか。建築ガイドから実際の事例を3つほど紹介します。

事例① ホームレスの子供たちのためのボロンタリア・ホーム(インド)

インドのポンディシェリにできたこのこの住居は、ホームレスの人々のために設計されました。現地で採れる粘土でできた家で、窓枠やトイレのタイルなどに自転車の車輪フレームなどの廃棄材が利用されているため、低コストかつ資源の無駄を無くすような工夫がされた設計となっています。

こちらのインドの事例は、SDGsの1つ目の目標である、「貧困をなくそう。あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」と対応しています。世界の極端な貧困問題は徐々に改善していますが、いまだに持続可能な生計を立てられない人は多く存在しており、世界の貧しい人々が住居に割ける資金は全くないか、限られています。建築家はこのような人々に対して、低コストかつエコで安全な建物を建築し、彼らの生活を少しでも豊かにすることに貢献できるのです。

事例②がん患者とその家族のためのマギーズ・センター(イギリス)

マギー・センターは、イギリスのマンチェスターにあるがん患者とその家族が安心して暮らせるように設計された住居です。この住居の特徴は、建築によってもたらされる癒しを重要視していることで、自然光や緑、庭園の見え方までが計算されています。センターには、プラーベート空間から喫茶店や図書館、さらに植物の栽培スペースなど、室内外での治療効果を楽しめる様々な仕掛けがあります。

こちらの事例は、SDGsの3つ目の目標である「全ての人に健康と福祉を。あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」と対応するものです。ほとんどの人は、生活の大半を室内で暮らします。室内環境が悪いと健康にも悪影響ですし、特に病気や伝染病などは建築環境内で多く発生するため、健康問題に取り組む上でも建築環境について考えることは非常に重要なのです。

事例③ワルカ・タワー(エチオピア)

こちらはエチオピアのドルゼに作られた水資源供給施設です。エチオピアの人々が使用する水質は極めて低く、この水による健康被害が深刻化しています。この問題を解決すべく設計されたこの施設は、大気の蒸気から結露と重力を使って水を抽出することができます。電力や複雑な装置を一切必要としないこの施設は、地域住民が簡単に操作・メンテナンスできるようになっており、装置によって生まれた日陰は地域住民のための共有空間を生み出しました。

これは、SDGs6つ目の目標である「安全な水とトイレを世界中に。すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」と対応する建築です。水は人が生きていく上で必要不可欠なものであり、エチオピアの事例のように水質の確保は健康問題の改善にもつながります。綺麗な水が不足している地域において、自然界の水を飲み水に変えることができるようなデザインが、建築には求められています。

まとめ

今回は、SDGsに対する建築業界の取り組みを紹介しました。世界のさまざまな地域で、建築がSDGs達成に貢献していることが分かっていただけたかと思います。

今回取り上げた事例の他にも、建築ガイドにはたくさんの事例が掲載されています。興味のある方はぜひ見てみてください。きっと、たくさんの画期的なアイデアに驚かされると思います。

参照:http://iwamura-atelier.com/wpat/wp-content/uploads/2019/01/17%E3%81%AE%E5%9B%BD%E9%80%A3SDGs%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%BB%BA%E7%AF%89%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-Part-1-2019.01.21.pdf

 

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