【更新日:2022年8月28日 by ナオ】
SDGsの情報を得るためにはさまざまな手段がありますが、SDGsプラットフォームを活用することでSDGsについて深く学べます。
皆さんはどのような手段をとっていますか?サイトを見たり、本を購入したりとさまざまだと思いますが、実際の体験談を人から聞いてみたいと思ったことはありませんか?
今回は、SDGsにおいて有益な情報が飛び交うSDGsプラットフォームについてご紹介します。
SDGsプラットフォームとは?
「SDGsプラットフォーム」とは、企業とSDGsをつなぐ場のことです。
1つのプラットフォームに参加登録することで、そのプラットフォームに参加する異なるコミュニティとも情報交換や情報共有ができるのです。
プラットフォームに加入することで、そのプラットフォーム内でおこなわれるセミナーやイベントに参加できたり、会員同士の交流の場として利用したりできます。
SDGsプラットフォーム会員になる3つのメリット
SDGsプラットフォーム会員になると3つのメリットがあります。
メリット1|SDGsプラットフォーム会員主催イベントの存在
SDGsプラットフォームに参加している企業が主催となっておこなわれるイベントがあります。
もちろんSDGsプラットフォームに参加していない人が参加できるイベントもありますが、会員限定のイベントであったり、いち早くそのイベントについての情報を仕入れられるので、SDGsについて学ぶだけでなく実体験をしてみたいという人にはおすすめです。
イベントの例としては、オンラインのセミナーやゴミ拾いなどの実体験、啓発活動などがあります。
メリット2|SDGsプラットフォーム会員同士での課題解決
2つ目のメリットは会員同士でSDGsに関する課題を解決できる点です。
わかりやすいように以下の具体例を通して、会員同士での課題解決を見てみましょう。
SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」を企業として、新たに取り組みたいA企業があります。
A企業のSDGs推進担当に選ばれたSさんは、実際にSDGs目標4に取り組むにあたって、なにから取り組めばいいかわかりません。
しかし、このSDGsプラットフォームに参加したことで、すでに企業としてSDGs目標4に取り組んでいる、B企業の担当者と話せました。その会話の中で、企業としての取り組みを考え付くことができ、A企業はSDGs目標4を企業として取り組みはじめました。
このように、課題を解決したい人と解決策を持っている人がマッチングすることで、課題を解決できます。
SDGsプラットフォームには、それぞれで会員数が異なりますが、規模が大きいものだと5000団体以上が参加しています。
会員同士の交流なので、無駄な費用がかかることなく、解決策をすでに知っていることから遠回りして無駄だったというリスクを回避できるのです。
メリット3|SDGsプラットフォームでの勉強会
メリット2「SDGsプラットフォーム会員同士での課題解決」と少し似ていますが、この勉強会の場合は、メンバー全員でともに勉強することを指しています。
知りたいテーマによって分科会の設立を提案します。そこで提案が受理されれば、設立され、メンバ―を募集して発足という形です。
メリット2では、会員同士の関係性は「生徒と教師」に近いですが、この場合は分科会に参加する全員が同じ立場なので、誰でも気軽に参加して、学びを深められます。
運営団体別おすすめSDGsプラットフォーム7選
実はSDGsプラットフォームを運用しているのは、政府や企業などさまざまあります。
今回は「政府」「企業」「地方自治体」、そしてプラットフォームを開発した「大学の研究室」の4つに分けて、プラットフォームを紹介します。
政府が運営しているSDGsプラットフォーム2選
ここでは政府が運営しているSDGsプラットフォームを2つ紹介していきます。
「地方創生SDGs官民プラットフォーム」|内閣府
地方創生SDGs官民プラットフォームは内閣府が運営しています。
このプラットフォームの特徴は、会員数が 6,699 団体(2022年8月5日現在)と大規模な団体という点です。
所属団体の内訳も民間団体だけではなく、都道府県・市区町村の団体や省庁の団体などさまざまな団体が所属しています。
地方創生SDGs官民プラットフォームは名前の通り、地方創生に力を入れているプラットフォームです。
またこのプラットフォームでは、会員がおこなった地方創生の事例を紹介し、その中から優良事例を選定する取り組みをおこなっています。
この選定では、他の会員の事例を紹介することで、自分たちの企業になかった取り組みや発想を全体で共有していこうという狙いがあります。
▽興味のある方は以下のURLからご覧ください。
https://future-city.go.jp/platform/
「JAPAN SDGs Action Platform」|外務省
次に紹介するのは、「JAPAN SDGs Action Platform」です。
こちらは外務省が運営しています。
このプラットフォームは先ほどの内閣府のものとは違って、SDGsの取り組み紹介を目的として運営されています。
特徴は、ジャパンSDGsアワードというイベントをおこなっていることです。
ジャパンSDGsアワードとは、簡単に言えば、SDGs達成に向けて優れた取り組みを行っている、企業や団体などを表彰するものです。
この表彰には、NGO・NPO、有識者、民間セクター、国際機関など、広範な関係者が集まる「SDGs推進円卓会議構成員」からなる選考委員会の意見を踏まえて決定されています。
大規模なイベントではありますが、実は過去には企業だけではなく、学生の取り組みも表彰を受けたことがあります。
▽興味のある方は以下のURLからご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
企業が運営しているSDGsプラットフォーム 2選
ここでは企業が運営しているSDGsプラットフォームを2つ紹介します。
「SDGs PLATFORM」|一般社団法人SDGsプラットフォーム
こちらは一般社団法人SDGsプラットフォームが運営するものです。
「中小企業の推進」「女性活躍」「次世代の子ども達」という3本の矢を掲げ、SDGs推進活動をおこなっています。
SDGs PLATFORMの主な事業はセミナー・勉強会の開催や会員同士の交流になります。
特徴としては、SDGs全国大会というイベントです。
1年に1回全国大会を実施し、SDGsビジネス大賞を選定して、表彰しています。
そのほかにも中小企業のSDGs活動の支援に力を入れています。中小企業だからこそSDGsに力を入れてほしいという思いが込められているそうです。
▽SDGs PLATFORMの詳しい情報はこちら
https://sdgs-platform.jp/
「Platform Clover」|一般社団法人サステナブルトランジション
こちらは一般社団法人サステナブルトランジションが運営するプラットフォームです。
こちらは、外務省が運営する「JAPAN SDGs Action Platform」と似ていて、企業がおこなった取り組みを紹介したり、自社でおこなったSDGsの取り組みを投稿できます。
さまざまな取り組みが紹介されていて、勉強や学習のヒントになることが多いプラットフォームです。
▽Platform Cloverの詳しい情報はこちら
https://platform-clover.net/search/favorite
地方自治体で運営しているSDGsプラットフォーム 2選
ここでは地方自治体が運営しているSDGsプラットフォームを2つ紹介します。
「関西SDGsプラットフォーム」|関西
こちらは関西の企業、学校、自治体のみで構成されているプラットフォームです。
キャッチコピーは「Kansaiで、つながる」です。
設立背景は、SDGsの達成に向けて取り組んでいる関西の民間企業、市民社会・NPO・NGO、大学・研究機関、自治体・政府機関といった多様なアクターが参加するプラットフォームとして設立されました。
日本におけるSDGsの取り組みにおいて重視されているのが、地方創生や地方でのSDGsの推進というもので、それならば関西全体で力をあわせて、伝統を守りつつ新しいものを生み出すという発想のもと生まれたそうです。
活動内容は、上述したようにセミナーなどイベントの開催や参加団体が実施するイベントへの参加の呼びかけなどで、このほかにSNSやウェブサイトを活用した積極的な広報・発信活動になります。
会員数は1459団体(2022年8月5日現在)で、関西だけで構成されていると考えると非常に大規模な組織だといえます。
まだ参加していない関西の企業、教育機関の方は参加してみてはいかがでしょうか?
▽関西SDGsプラットフォームに関する詳しい情報はこちら
https://kansai-sdgs-platform.jp/
「浜松市SDGs推進プラットフォーム」|浜松市
こちらは浜松市が運営するプラットフォームになります。
市の単位で運営しているプラットフォームなので、企業同士での連携が強く、地方創生という観点において素晴らしいプラットフォームです。
活動内容は、他と比べてとくに特質したものはないのにもかかわらず、会員数は467団体(2022年6月30日現在)と市単位で見ると大きな組織です。
浜松市に企業を置く企業の皆様、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
▽浜松市SDGs推進プラットフォームに関する詳しい情報はこちら
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kikaku/sdgs/platform.html
大学の研究室が開発したSDGsプラットフォーム
ここでは大学の研究室で開発されたSDGsプラットフォームについて紹介します。
「ローカルSDGsプラットフォーム」|法政大学川久保研究室
法政大学 川久保研究室では、自治体ごとでSDGsの取り組みや成功事例を登録・検索・共有できる「ローカルSDGsプラットフォーム」というSDGsプラットフォームを開発・運営しています。
ローカルSDGsプラットフォームの最大の特徴は、全国の都道府県・市区町村におけるSDGsの取り組み状況や、達成度をSDGsの17のゴール別に可視化するデータベースが掲載されている点です。
地図上から閲覧したい自治体を選択することで、その自治体のSDGsの取り組みや達成度を閲覧できます。
大阪府では、実際にこのデータベースを用いて地域分析を行い、ジャパンSDGsアワードを受賞しています。
その他にも、ローカルSDGsプラットフォームでは、自治体担当者のインタビュー記事など、さまざまなコンテンツを公開しています。
興味のある方はぜひ覗いてみてください。
▽ローカルSDGsプラットフォームに関する詳しい情報はこちら
https://local-sdgs.jp/?lang=ja
SDGsの知識を深めるためにできること2選
SDGsプラットフォームでは、さまざまな知識人や先駆者の方とつながれたり、コミュニティ内での情報共有や交流でSDGsの知識を深められることが分かったかと思います。
SDGsの知識を深める方法は、その他にも多くあるのです。
ここではSDGsの知識を深めるためにできることを2つ紹介します。
事例から学ぶ
SDGsの事例を見ることで、SDGsの知識を深められます。
2015年にSDGsが公表されて以降、多くの団体や企業、自治体でSDGsに関するさまざま取り組みが行われてきました。
SDGsへの取り組みは、企業の特色を生かしたものや、世の中の潮流を汲み取ったものなど、多岐にわたっています。
自分たちが実際どのようにSDGsに取り組めばよいかわからない時や、世の中にはどのようなSDGsの取り組みがあるのか知りたいときなどは、ぜひ取り組み事例を検索してみましょう。
SDGs CONNECTでも、SDGsの取り組み事例集を掲載しているので、あわせてご覧ください。
▽SDGsの取り組み事例を知りたい方はこちら
▶関連記事|SDGsの取り組み事例51選|企業と個人の事例を17のゴール別に徹底網羅>>
書籍から学ぶ
SDGsの知識を深める方法の2つ目は、書籍から学ぶことです。
SDGsが急速に広まっている現在、インターネット上では多種多様なSDGsに関する情報が掲載されています。しかし、自分の求める情報ではなかったり、情報の出所が不明であるケースも少なくありません。
SDGsの書籍には、SDGsがそもそもよくわからない人のための基本的な情報を載せているものや、ビジネスパーソン向けのものなどがあります。
そのため、自分の目的に合わせて、SDGsの知識を書籍を通して学べます。
また、情報の出所が明瞭であることも書籍でSDGsを学ぶメリットです。
SDGsのどの知識を深めたいのかが明確になっている人や、インターネットではなく書籍でSDGsを学びたいと思っている人には、書籍でSDGsの知識を深める方法がおすすめです。
▽SDGsの書籍について詳しく知りたい方はこちら
▶関連記事|《知らなきゃ損》SDGsのおすすめ書籍12選|大人向け・学生向け・児童向けを年代別に紹介>>
最後に
今回はSDGsプラットフォームについてご紹介しました。
SDGsに取り組むために現在奮闘中のSDGs担当の方は、たくさんいらっしゃると思います。本やサイトだけでなく、実際現場でおこなわれているSDGsの活動に触れたり、取り組んでいる企業の体験を聞くというのは、非常に勉強になると思います。
ぜひ一度ご覧になってみてください。