流行り物じゃない、本当に持続可能なSDGs。京急に関わる全ての人がSDGsを自分ごとに。  

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品川から、羽田横浜三浦半島をつなぐ京急電鉄。神奈川や東京に在住の方だけでなく、羽田空港からの移動など一度は利用したことがあるのではないだろうか。

京急グループは、鉄道事業を筆頭に、レジャー·サービス事業流通事業不動産事業など多岐にわたって事業展開している会社だ。交通インフラという私たちの生活に必要不可欠な事業を営みながら、沿線の人々にマッチしたさまざまなサービスを提供してきた。

交通インフラを担う企業はどのようにSDGsと立ち向かっているのだろうか。生活に密着した事業展開のなかで、京急グループは2019年から神奈川県など京急沿線の自治体と連携し、SDGsを達成するための取り組みを開始した。それ以外にもSDGsの戦略を描きさまざまな取り組みを行っている。

今回のインタビューでは、京急グループのSDGsへの取り組みと、グループ全体でのSDGs推進の背景について話を伺った。

人々の生活に密着した事業展開をする京急グループだからこそ見えてきた社会課題とは?そして、グループ全体として社会課題に取り組む姿勢はどのように生まれたのか?交通インフラ事業をメインとする会社ならではの視点とその多岐に渡る取り組みの実現への熱い思いを探る。

ビジネスから観光まで。沿線周辺の人々の暮らしを守り、豊かにする

ーーまず初めに自己紹介をお願いします。

京急電鉄広報部広報·CSR課の鈴木と申します。京急グループの価値向上のためのCSR活動の企画の立案や実施、個人や機関投資家へ向けたレポーティング活動などを行っています。

ーー京急グループではどのような事業を行っているのでしょうか?

メインとなるのは交通インフラ事業です。日本の陸の玄関である品川と空の玄関口の羽田を起点とし、京浜臨海部から三浦半島を結んでいます。また、不動産事業流通事業レジャー·サービス事業など、京急沿線のまちづくりや地域活性化のための事業も展開しています。

京急沿線は、品川、羽田、横浜とビジネスの要となる地域を結び、自然豊かな三浦半島など、さまざまな特色を持っているのが特徴です。

ーー確かに京急沿線にはビジネスとして要となっていながら、観光資材や自然が残っている地域が多いですよね。

それぞれの地域が多面性を持っているのが京急沿線の特徴だと思っています。例えば、品川、横浜はビジネスの要となるような都市でありながらも、ご利用いただくのはビジネスマンだけでなく、日本·世界各地からいらっしゃる観光客の方もいるんです。「ビジネス」「観光」この2点を基に社会全体を成長させるべく、京急グループとしてさまざまな事業展開を行っています。

人々の生活に密着する事業を行う会社だからこそ見えてきた課題感

ーーSDGs達成への取り組みとしての足掛かりはなんだったのでしょうか?

京急グループでは、気候変動レジ袋削減ユニバーサルデザイン都市開発などSDGsという枠組みができる前からさまざまな面で取り組んでいますが、「SDGs」としての活動は2019年に締結した神奈川県との協定から始まっています。

CHECK!!

2019年1月に京急電鉄と神奈川県は『SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」を締結。この協定の締結により、相互連携と協働による活動を推進し、地域のニーズに迅速かつ適切に対応し、県民サービスの向上および地域の活性化を図っていくことを発表した。

また、京急グループとして戦略的に事業·CSRを推進するため、グループ全体の共通目標としてCSRビジョンシートを策定しました。

CSRビジョンシートの中では京急グループが重点的に取り組んでいくべきCSR推進における主な社会課題を抽出し、事業を通じてどのようにして解決できるのかをわかりやすくまとめました。当社グループが展開する幅広い事業を通じて、SDGsの各ゴールの達成につながっていくことを明示しています。

ーーCSRビジョンシートで注目している社会課題にはどんなものがありますか?

ビジョンシートの中では京急グループが重点的に取り組んでいくべき社会課題を洗い出し、12個のマテリアリティ(重点課題)を抽出しています。それらを4つの領域に分類しています。京急グループが掲げているマテリアリティ(重点課題)は以下の通りです。

【価値創造型CSR】

  • 交通事業の安全安心·利便性·付加価値の追求
  • 重点地域(品川·羽田·三浦)における事業機会の創出
  • 沿線地域との連携·活性化

【広義のコンプライアンス】

  • グループ全体の社会対応力向上
  • CSRレポーティング·CSRの社内浸透の強化
  • 環境への配慮と生態系保全

【狭義のコンプライアンス】

  • 健全で透明性の高い経営
  • 働きやすい職場環境づくり
  • リスクマネジメント

【社会貢献·フィランソロピー】

  • 沿線地域の次世代育成支援活動
  • 沿線地域との共生
  • 人材育成·社員教育

京急グループでは、事業として交通事業、不動産事業、レジャー·サービス事業、流通事業、その他の事業の5つを京急沿線で幅広く展開しているため、多くの社会課題に直面します。それら社会課題に目を向け、いかに本業を通じて課題解決に貢献するかをステークホルダーに直感的にわかりやすく説明するために作成したものです。

ーー具体的にどのような取り組みをしていますか?

20191月に京急電鉄と神奈川県は『SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」を締結。その取り組みの第一弾として、レジ袋の使用料を削減するため、「かながわSDGs×けいきゅん」オリジナルエコバッグを作成。2019年から京急線主要駅やイベントなどで約2万人に配布した。引用:神奈川県×京急電鉄「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」を締結いたしました | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)

SDGsの14番目のゴールである「海の豊かさを守ろう」の達成に向けた取り組みとして「京急プラごみ削減運動」を行っています。例えば、京急グループ全体で生分解性素材のストローを導入することで、年間約19万本使用しているプラスチックストローの削減レジ袋削減の啓発のために、沿線で地域の方々にエコバックを配布しました。

また、沿線地域の自治体やNPO団体等と連携により、三浦海岸·津久井浜海岸·逗子海岸でビーチクリーンを開催しました。

京急は「京急グループプラごみ削減運動」の一環として、沿線周辺の海岸で定期的にビーチクリーンを行っている。2019年度は三浦海岸海水浴場、津久井海岸、逗子海岸で実施し、沿線の自治体のほか、NPO団体や企業、さらには地元少年サッカーチームの子供たちや近隣住民など合計1500人以上が参加した。引用:【CSR活動】三浦海岸海水浴場にて「海の豊かさを守る」啓発活動を実施しました | お知らせ | 京浜急行電鉄(KEIKYU)

生分解性素材で作られたストローを導入し、京急グループ各社が運営する飲食店や流通施設、ホテル等にて年間約19万本使用しているプラスチック製ストローの使用を廃止するなどプラスチック製ゴミの削減を目指している。引用:京急グループ全社で「生分解性ストロー」を導入いたします! | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)

また、沿線地域への旅客誘致による地域活性化に貢献するため、三浦半島での観光を楽しめる「みさきまぐろきっぷ」を販売しています。

「みさきまぐろきっぷ」は、京急の電車&バス乗車券、加盟飲食店でのマグロまんぷく券、加盟店舗での三浦·三崎おもひで券がセットになったもので、おトクに神奈川県三浦·三崎を観光することができます。気軽に三浦の魅力を体験していただきたく、交流人口を増やすことで、にぎわいのある沿線の創出につながり、地域の活性化が実現すると考えております。

ーー京急グループというと電車のイメージが強いですが、沿線周辺のまちづくりやにぎわいの創出などさまざまな取り組みが行われているんですね。

まさにおっしゃる通りです。沿線を中心にさまざまな事業を展開している私たちだからできる多角的なアプローチで課題を解決していくことが,京急グループの存在価値であると考えています。

「多様な社会課題にグループ一丸となって取り組んでいきたい!」対話から生まれるCSR·SDGsへの理解

ーー実際にSDGsのさまざまな取り組みを行う中で、社内のSDGsの認知度などはいかがでしょうか?

取り組みを開始した当初は、グループ全体にSDGsという言葉も浸透しておらず「何なんだろう?」という方がまだまだ多かったんです。先ほど例に出した生分解性ストローについても、最初は「なんでコストが3倍も高いストローに変えないといけないんだ」という声も多く聞かれました。

ーーどのように社内の意識を高めて行かれたのですか?

まず、ビジョンシートの理解促進に向けた啓発活動です。京急グループ全社におけるビジョンシートの理解深化を目的として、各社のCSR担当者に「CSR伝道師」になってもらうべく、全社参加型の研修を行いました。この研修では、それぞれの会社の課題や取り組みについて共有し、本業を通じた社会課題解決の実現にグループ一丸となって取り組めるよう、ビジョンの共有化を進めました。

また、CSRビジョンシートの社内浸透に向けてハンドブックを作成し、各社の新入社員研修などで活用しています。

このCSRビジョンシートには、京急グループ全体の認識をすり合わせてゆくゆくは個々の会社が自発的に全体を見据えた事業展開をしていける、指針として参照して欲しいという願いが込められています。

一番に大事にしてきたことは、グループ会社に回って、各事業においてなぜ取り組みが必要なのかを説明しつつ、「ぜひ一緒にがんばりましょう!」と対話を持つ姿勢です。

ストローに関しては、全部で13社ほどのグループ会社に説明に回り、1社1社になぜストローを変えるのかを説明しました。「京急グループの取り組みとして、海の豊かさを守ることは持続可能な成長のために不可欠なんです!」と。すると、段々と、「そういうことなら、積極的にやっていくしかないよね。」という声が上がってきたんです。

ーーコミュニケーションという基本的なところから意識改革を進めてこられたのですね。

そうですね。最近は、社員一人ひとりがSDGsを理解してきたと思うことも増えてきています。日々の業務の中でSDGsを達成するために、どのように取り組んでいくべきかを考える社員が自分から声をあげてくれることも多くなってきました。

また、グループ会社からも「SDGsでこんなことが掲げられているのなら、京急グループのCSRとしてこんなことをしたらいいんじゃない?」と提案をいただけるようにもなってきていて。少しずつですが、社内の理解度の向上や取り組む姿勢の変化を日々感じています。

ーーつまり、トップダウンで「こういうものがあるんだよ」と一方通行だったコミュニケーションが今はボトムアップで「こんなこともやってみたい」という双方向のコミュニケーションに変わってきたということですね

まさにその通りです。私自身、直接お客様と関わる会社や従業員に納得してもらえるような取り組みをしていかないといけないとずっと思っていて。だからこそ、現場で働く人たちに直接説明をしたり、要望を聞いてやり方を変えたりしてきました。その結果、グループ社員から声が上がるのはありがたいですし、とても嬉しいです。

ーーそのほかにも社内で行っている取り組みはありますか?

マイボトル、マイカップの使用の促進ですね。

京急グループ本社には社員向けのカフェが併設されているんです。プラスチックのカップで飲み物の提供が行われているのですが、一昨年から定期的にマイボトルとかマイカップを使うとポイントがもらえて、ポイントがたまるとオリジナルのノベルティーグッズと交換できるキャンペーンを実施しています。その結果、多くの社員が参加してくれて、マイボトル·マイカップを利用する社員が増えてきました。

また、ペットボトルの分別の徹底を啓発活動として実施させていただいています。ペットボトルって、外で飲むと、キャップやラベルを剥がさずにそのまま捨ててしまうことが多いと思うのですが、それでは分別を徹底したことにならないんです。結局、キャップやラベルがつけっぱなしのペットボトルは分別されずに燃やされてしまうことも多く、環境負荷を大きくしてしまったりするんです。そこで、京急グループでは、2020年の夏、社員に分別を協力をしてもらい約3,000本のペットボトルを回収して分別しました。本当に基本的なところなんですけど、日々の行いから変えていこうよという啓発活動を通して、CSRやSDGsの大切さを広めています。

グループ全体で揃ってきた足並み。SDGsをさらに事業の中に取り組んでいくには?

ーーこれから京急グループCSRやSDGsを通して企業としてどのように成長していきたいと思っていますか?

SDGsは2030年までの目標ですが、持続可能な社会の実現への取り組みはその先も続いていきます。なので、2030年がゴールではなく、その先も続けていくべきものとして捉え、事業に落とし込んでいきたいと思います。

また、先述の通り事業展開が多岐にわたるので、変化する社会情勢や地域社会のニーズに合わせてどこを継続すべきなのか、何に特化すべきなのか見極めていきたいと思います。事業を通じて社会課題を解決し企業価値を向上させることが,京急グループに関わる全てのステークホルダーに対する当社の役割であると考えています。

ーービジョンシートにもステークホルダーがしっかり定義され、その中に地域の方々がいるのが素敵ですよね。

都心の港区から三浦市まで,さまざまなエリアを結ぶ当社線は、地域との社会課題の解決や情報発信などで非常に大きな関わりがあります。

ーー最後に、京急グループとしてSDGsの達成に果たす役割はどんなところだと思いますか?

まずは沿線の皆様にもSDGsという取り組みを知っていただくことが第一歩かなと思います。京急グループの交通インフラを利用していただいたり、京急百貨店などの店舗を利用していただく中で、ポスターを見たりしてSDGsへの取り組みを知ってもらい、SDGsやCSRを身近に感じてもらうことを目指していきたいと思います。

そこから、ビーチクリーンや地域活性化などさまざまな活動を「一緒にやってみたい」と思ってもらえたら嬉しいですね。

まとめ

今回の取材で強く伝わってきたのは、社内だけでなく京急を利用する地域の人々まで、京急に関わる全ての人々に「一緒にやってみようよ」という姿勢を持ち続けることの重要性だ。SDGsを流行り物として捉えるのではなく、事業に取り込んで社会を持続可能にしていきたい熱い思いが伝わってきた。

そして、多角的な視野を持ち、さまざまな視点からSDGsのアプローチを続けるにはまず「対話」すること。基本的でありながら重要な姿勢を学んだ取材だった。地域の人々の生活に密着した京急グループだからこそできるSDGsのこれからの取り組みに期待したい。

そして、私たちも京急グループと一緒に、社会問題を自分ごととして、身近な問題として取り組めるところから取り組んでいきたい。

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