《徹底解説》SGDsの世界の取り組み|17の目標別に世界の事例を網羅

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【更新日:2021年9月17日 by 森あゆみ

SDGsの採択以来、国内では行政だけではなく、企業や個人でも取り組む割合が増えてきました。

一方で、海外に目を向けるとどうでしょう。世界中でSDGsが注目されているいま、世界各国ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

この記事では、世界各国の目標達成状況とランキング上位国の取り組み、そして日本の課題を解説していきます。

SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

世界のSDGs達成状況

世界の取り組みを解説する前に、世界各国でどれほどSDGsが達成されているのかを把握する必要があります。ここでは、世界地図上で目標別の達成度を見ていきます。データは全て2020年度版です。

CHECK!!表示色の説明
緑色:目標を達成している

黄色:目標を達成するまであと一歩

橙色:目標を達成する上で重要な課題が残っている

赤色:目標を達成する上で特に重要な課題が残っている

灰色:有効データなし

目標1「貧困をなくそう」

北欧諸国をはじめとしたユーラシア大陸では目標1が達成されています。G7中フランス以外の6カ国では未だ貧困が起きている現状があり、アメリカでは橙色の表示となっています。アフリカ諸国では赤い表示が目立ち、貧困が深刻化している姿が見受けられます。World Visionは、コンゴ共和国に暮らす人々に1日3食食べられるような支援を行うなど、貧困地域を中心に他の目標に関連する支援をも手がけています。

目標2「飢餓をゼロに」

目標2を達成している国はなく、世界全体で橙色か赤色の表示になっています。特にアフリカ諸国、貿易の行き届かない内陸地や島国で飢餓が深刻化しています。また、人口が増加傾向にある地域において食糧の需要と供給が合わないことも、飢餓が発生する原因の1つです。先進国、開発途上国ともに食糧危機が起こりつつあり、自国の食料自給率を上げる方法や、食品ロスを減らす取り組みを行なっていく必要があります。その1つの対策として国連世界食糧計画(WFP)は、自然災害などの緊急事態が発生した際に現地へ食糧を届けています。普段からの栄養バランスに気をつけるために母子栄養支援を行なったり、学校給食支援を通して子供の健康な体づくり、そして学びの質を高めることを目指しています。

目標3「すべての人に健康と福祉を」

目標3を達成している国は、スウェーデン、ノルウェー、イスラエル、オーストラリアの4カ国のみです。医療の質の高さが評価される日本は、黄色の表示であり、医療費や医療保険の高さが目標達成まで及ばない原因の1つと考えられます。アフリカ諸国や南米、ロシアやインド周辺国において、解決が急がれます。インドでは、ユニリーバのライフボーイ石鹸による手洗い習慣をつける取り組みが行われ、多くの人が健康を意識する一歩を踏み出しました。

目標4「質の高い教育をみんなに」

日本をはじめとして、フィンランドやカナダ、開発途上国では中国やモンゴルが目標達成しています。近年では、東南アジアのベトナムやシンガポールの教育の質が高いことも注目されています。一方で、アフリカ諸国は貧困や居住環境などを理由とし教育が十分に受けることができません。そこで、国際協力機構(JICA)は「みんなの学校プロジェクト」と題して2004年より西アフリカを中心に教育開発支援を行なってきました。またWorld Visionでは、水を組むために遠くまで歩かなければならない子供たちに教育の機会を与えるために、住居の近くに井戸や貯水タンクを作っています。子供たちを水汲みの仕事から遠ざけるのではなく、水汲みの仕事をなくすという根本的な解決策の提示で、多くの子供たちが教育を受ける機会を得られるようになりました。

(参照:https://www.worldvision.jp/children/education_01.html

目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

ランキング上位国のフィンランドとノルウェーでは目標達成がされ、育休制度を充実させるなど先進的な取り組みが行われています。日本では、ジェンダー差別は解決すべき大きな課題です。緑色に表示されたナミビアを抜かしたアフリカ諸国でも課題は残っており、ジェンダー平等が達成されないと貧困や教育格差が助長されると懸念されます。特に開発途上国では、早期結婚・出産をはじめとし、教育機会の不平等など女性の人権が守られていない現状があります。国際NGOプラン・インターナショナルでは、性と生殖に関する正しい知識を教育したり、女性や子供の権利を守る活動行なっています。

目標6「安全な水とトイレを世界中に」

フィンランドやクロアチアが目標達成しています。G7の各国は黄色や橙色の表示であり、「水道水も安全に飲める」と言われている日本でさえ課題が残っています。水は生きる上で必要不可欠でありますが、アフリカ諸国や赤道に近い国々が赤く表示されています。これらの国々では、地球温暖化が進むことでさらに水不足問題が深刻化すると予想されます。また、開発途上国において衛生面の整ったトイレがない現状を踏まえ、UNICEFはトイレを増設するキャンペーンを行っています。さらに、河川など水資源の少ない地域への水分配を円滑に行うため、世界水パートナーシップ(GWP)は、様々な地域と提携し水が必要な地域に水を届けられるようなシステムの確立に取り組んでいます。

目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」

北欧諸国をはじめとして、ブラジルなどの南米諸国やニュージーランドも目標達成しています。G7は未だ課題を抱えており、アフリカ諸国やインド洋に面する地域、オーストラリアで特に課題が山積しています。それぞれの国の気候環境や地形を考慮しながら再生可能エネルギーの生成に力を入れる必要があります。そして、生成されたエネルギーをみなに供給できるシステムを確立することも、課題解決に不可欠です。電力の供給を例にとると、国際エネルギー機関(IEA)は、電力の貯蓄や分散を管理し、世界規模で電力の安全保障を行なっています。

目標8「働きがいも経済成長も」

中国において目標8の達成がされており、ランキング上位国やG7では達成まであと一歩のところが多いです。南米諸国やアフリカ諸国、中東エリアで課題が見受けられますが、少しずつではありますが年々解決に向かっています。先進国では企業の労働環境の見直しや働き方改革が行われています。しかし、開発途上国では企業へのアプローチだけでなく、児童労働や働いても賃金を払われない不当労働が課題となっています。国際労働機関(ILO)は、世界各国での不当な労働環境を撤廃し、仕事の創出やディーセントワークの確立を目指しています。

目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」

日本とシンガポールのみが目標9を達成しています。ランキング上位国は黄色く、G7は橙色に表示されています。アフリカ諸国とインド周辺が赤く表示され、技術発展の必要があります。日本とシンガポールが率先して世界全体で技術の共有を行なっていくことが世界レベルでの目標解決に向けて重要な鍵となるでしょう。また、世界銀行のプラットフォームであるグローバル・インフラストラクチャー・ファシリティによる投資活動やインフラ整備事業は、先進国と開発途上国の間のインフラギャップを狭めるために重要なプロジェクトだと言えます。

目標10「人や国の不平等をなくそう」

ノルウェー、デンマーク、ウクライナが目標達成しています。世界的に赤い表示が多く見受けられますが、特に多民族国家で課題が残っています。人種差別問題だけでなく、体に不自由のある障害者や高齢者に優しい環境づくりを形成していくことが大切です。国際開発機構(JICA)や国連開発計画(UNDP)といった国際機関や、Save the Childrenなど多数の団体が発足され、あらゆる人権を守る活動が世界各国で取り組まれています。

目標11「住み続けられるまちづくりを」

目標11を達成している国はありません。一方で達成まであと一歩という国が多いですが、いずれも先進国であり、開発途上国では解決策をさらに練っていく必要があります。近年では、シェアリングエコノミーという言葉が普及し、ビジネスプランに組み込む企業も出てきました。

目標12「つくる責任つかう責任」

ナイジェリアやザンビアなどのアフリカ諸国が目標12を達成しています。大量消費・大量生産が主流であった先進国になるほど赤く表示されています。元々の生産量が少ない地域ほど、消費者はムダなく使う傾向にあると言えます。目標12でも、目標11と同様にシェアリングエコノミーの普及に伴うモノの一生の変化が着目され、国や企業をあげて対策が取られています。

目標13「気候変動に具体的な策を」

アフリカ諸国やインド洋に面する地域において目標が達成されています。これらの地域では森林などの自然が多く、人々が自然とともに共生していることが達成の要因として挙げられます。一方で、ランキング上位国やG7は赤く表示されており、取り組みを強化していく必要があります。気候変動は国単位の問題ではなく、人類をはじめとした地球にある全ての生態系に影響を及ぼします。COP21やパリ協定などで世界各国が話し合い、目標解決に向けて一丸となって取り組む姿勢が重要視されています。

目標14「海の豊かさを守ろう」

内陸国は海に面していないため灰色の表示になっています。目標14を達成している国はありません。海洋汚染が深刻化しており、特に日本海や地中海に面する国々で課題があります。また、気候変動により海洋生物が移動したり過度な漁業によって生態系が崩れているのも喫緊の課題です。そこで、自治体や有志でのビーチクリーンが行われたり、海洋プラスチックゴミ問題へ対応するためにプラスチック製の商品を製造しない企業も増えてきました。

目標15「陸の豊かさも守ろう」

欧州とアフリカ大陸で目標を達成している国がいくつかあります。ほとんどの国が橙色に表示される中、日本は課題解決の重要性が高くなっています。世界自然保護基金(WWF)では、世界中で取引される木材の管理や、陸域生態系の保全を中心に活動しています。

目標16「平和と公正をすべての人に」

アイスランド、フィンランドと並んで、日本でも目標16が達成されています。しかし、児童労働やそもそもの人権が守られていなかったり、表現の自由がなかったりと、解決から程遠い国々も多いです。特に紛争地域では課題が山積していますが、国連平和維持活動(PKO)は、紛争の平和的解決を手がけ、集団安全保障の実現を目指しています。

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

北欧ではノルウェー、アフリカ諸国ではチュニジアと南アフリカで目標を達成しています。

開発途上国を支援するための資金が不足していることや不公平な貿易体制、情報格差を原因として、世界中でパートナーシップが十分に確立されていません。そのため、国連開発計画(UNDP)は、マルチステークホルダーパートナーシップを通して世界規模でパートナーシップを締結し持続可能な社会づくりを目指しています。目標17は、自国だけでは達成のできない目標です。SDGsに取り組む際は、他の国や地域と協力し合いながら策を考えていくことが大切です。

ランキング上位3カ国の取り組み事例

世界の現状を見てみるとどの国にも目標達成に行き届いていない課題があるとわかりました。

そんな中、特に優れた取り組みを行い2020年度のランキング上位3カ国を占めたのは、スウェーデン、デンマーク、フィンランドでした。上位3カ国がどのような取り組みを行ってSDGsの達成を目指しているか、国ごとに解説していきます。

1位:スウェーデン

SDGs達成度のスコアは100ポイント満点で算出されています。

スウェーデンは、SDGs達成度を84.72ポイント記録しました。目標別の達成状況は以下の通りです。

①再生可能資源

2017年には、家庭ゴミの99.5%がリサイクルやエネルギー源に変換されており、残りの1%未満が埋め立てられています。リサイクルのしやすいようにゴミを細かく分別したり、300m間隔でリサイクルステーションを設けることで、市民にとってリサイクルすることが身近になっています。

また、サーマルリサイクルという、ただゴミを焼却するだけでなく焼却時に発生する熱エネルギーを回収することで、市民の生活へエネルギーを還元しています。さらに、他の国からもゴミを輸入し、エネルギー源へと変えることで、サーマルリサイクルを実現させています。

(参照:https://www.rioonwatch.org/?p=54109#prettyPhoto

(参照:https://www.blueoceanstrategy.com/blog/trash-treasure-sweden-recycling-revolution/

FinTech分野では、2018年にDoconomyが消費者のCO2排出量を管理できるクレジットカードを開発しました。クレジットカード利用時の自分の購買行動がどれほど二酸化炭素を排出、削減しているか体感することができ、日常の行動改善につなげることを目標としています。

(参照:https://doconomy.com/

②海洋汚染

また、世界中で問題となっている海洋プラスチックゴミを削減するために、The Ocean Conferenceや周辺各国と協働して課題解決に取り組んでいます。例えば、化粧品に使用されるプラスチックマイクロビーズの使用を禁止するなど、多数の対策を講じています。特に目標14の解決が急がれているスウェーデンにとって、企業の積極的な取り組みが重要視されています。

(参照:https://oceanconference.un.org/commitments/?id=18818

③ジェンダー問題

スウェーデンは、2020年度のジェンダーギャップ指数が世界4位と、男女平等の実現への取り組みが進んでいる国だと言えます。国会議員の47%を女性が占めたり、大臣に女性が抜擢されるなど、政界での女性活躍が見られています。また、480日の育休制度が設けられ、夫婦が2ヶ月ずつ育休を取得できるような仕組みが確立されています。さらに、2009年に設立された平等オンブズマンと呼ばれる政府機関によって、目標10に該当するようなあらゆる差別を監視し、差別撤廃に向けて活動しています。

(参照:https://sweden.se/society/gender-equality-in-sweden/

④IKEAの取り組み

スウェーデンを代表する企業であるIKEAは、SDGsの解決に取り組んでいます。そのために、「健康的でサステナブルな暮らし」「サーキュラー&クライメートポジティブ」「平等性とインクルージョン」の3つの軸を掲げています。

「健康的でサステナブルな暮らし」を実現するために、イケアの商品を誰もが手に届くようにお手頃な価格設定にしたり、ユーザビリティを追求した商品開発を行なっています。また再生可能エネルギーの使用と生成や、廃棄物の削減など循環型製品デザインを徹底しています。

「サーキュラー&クライメートポジティブ」においては、気候変動に対応するためにムダを排出しない循環型ビジネスを確立しています。例えば、長く使用してもらうためにメンテナンス制度を充実させたり、生態系の保護を促進するために公的に認証を受けた環境に優しい資源を使用し製品を作ったり、再生可能資材を使うことでリサイクルのしやすい商品を作っています。将来的には、すべての商品を再生可能資材を用いて製作することを目標としています。

「平等性とインクルージョン」では、バリューチェーンに関わる全ての人にポジティブな影響をもたらすことに取り組んでいます。従業員の働きがいを向上させたり、ジェンダー平等や移民難民支援を実現し、ビジネスの中で人権を守り多様性を重視しています。

(参照:https://www.ikea.com/jp/ja/files/pdf/58/11/58110825/ikea-sustainability-report-fy19-jp.pdf

2位:デンマーク

デンマークは、SDGs達成度を84.56ポイントを記録しました。目標別の達成状況は以下の通りです。

①気候変動への対応

気候変動が問題視されているデンマークでは、慈善団体RealdaniaによるDK2020という制度が掲げられています。2019年に発表されたDK2020は、自治体ごとで気候変動問題に取り組み、2050年までに二酸化炭素の排出をゼロにすることを目指しています。パリ協定を元にして作られたC40のDeadline 2020をベースに、気候変動を1.5℃以内に収めるための対策を各自治体に求めています。デンマーク内の20の自治体は、C40などからの支援をもとに先行的に取り組みを始め、2020年からは4500万デンマーククローネ(約7.8億円)の投資を受け、他の自治体への取り組みも促進する予定です。

(参照:https://www.realdania.org/whatwedo/grants-and-projects/dk2020

(参照:https://www.c40.org/other/deadline_2020

②再生可能資源

UN17 Villageは、2023年にコペンハーゲン南部に再生可能資源のみでつくられる街です。建造物やエネルギー資源を全て再生可能なもので作り出し、また、その街に住む人々への雇用も生み出すことを目指しています。

さらに、2025年までにコペンハーゲンを世界初のカーボンニュートラル都市にするため、CPH2025 Climate Planが掲げられました。CPH2025 Climate Planでは、「エネルギー生産」「エネルギー消費」「グリーン輸送」「市政イニシアチブ」の4項目に着目して取り組んでいます。2005年に提唱されたCPH2025 Climate Planは、2025年までの期間を3段階に分けてマイルストーンを定めています。日本では2050年までに脱炭素社会を目指していますが、デンマークはあと5年でどこまで実現に近づくのでしょうか。

(参照:https://www.c40knowledgehub.org/s/article/Copenhagen-2025-Climate-Plan-Roadmap-2017-2020?language=en_US

③食品ロス

Too Good To Goは、レストランで売れ残った商品を低価格で購入できるサービスであり、目標2と12の解決につながるビジネスです。75000ものレストランやスーパーと提携し、食品ロスに取り組んでいます。さらに、商品パッケージに賞味期限と消費期限の違いを記載することで消費者の購買意識を変えたり、家庭での食品ロスを減らす運動も行なっています。

(参照:https://toogoodtogo.dk/da/movement

(参照:https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20200205-00161802/

3位:フィンランド

フィンランドは、SDGs達成度を83.77ポイント記録しました。目標別の達成状況は以下の通りです。

①教育

フィンランドでは、性別や貧困を理由とした教育格差をなくすため9年間の義務教育の無償化を行っています。さらには、学校給食を無償にすることで、生徒たちの集中力を高め、学びの質へとつなげています。そして修士号を取得していないと教授にはなれないことから、先生の質をも高いことがわかります。また、学力統一試験がないこともフィンランドの教育現場の特徴です。生徒それぞれに合わせたカリキュラムで成績がつけられ、みながリラックスした環境で学びができるようラウンジスペースを設けたり教室内にビーンバッグを置いています。生徒には、生涯を通して学ぶことを重視しており、学校の宿題よりも学外での課外活動を重視し、人としての成長を促しています。

(参照:https://www.weforum.org/agenda/2018/09/10-reasons-why-finlands-education-system-is-the-best-in-the-world

②レスポンシブルツーリズム

気候変動や環境保全への具体策として、Visit Finlandでは、観光業におけるレスポンシブルツーリズムが推奨されています。レスポンシブルツーリズムは、「責任を持って旅行する」と直訳されます。例えば、排気ガスの排出を抑えるために自転車を主流の移動手段とすることや、地元の慣行を尊重しながら旅することで、フィンランドの自然や景観を守る取り組みです。このように、観光業とSDGsをかけあわせることで、多岐にわたる問題解決導くことができます。

(参照:https://www.visitfinland.com/sustainable-finland/

③ジェンダー問題

フィンランドは、2020年度ジェンダーギャップ指数が3位であり、ジェンダー平等に先進的に取り組んでいる国の一つだと言われています。スウェーデンと同様、政界においては女性大統領が就任し、多様性をもたらしています。また、2021年秋から妊娠期間の夫婦は7ヶ月ずつの育児休暇を取得できるようにするなど、仕事と育児の両立を性別関係なく実現できるような仕組みを整えています。

(参照:https://www.bbc.com/news/world-europe-51384614

④デポジット制度

廃棄物を所定の場所に捨てると一定額還元されるデポジット制度を設けていることも、フィンランドの特徴です。このデポジット制度は、人の行き交いの多いスーパーに設置され、ペットボトルや空き缶のリサイクルを促進しています。2017年度のリサイクル率は、ペットボトルで91%、空き缶で97%、ガラス瓶で87%でした。消費者の「捨てる」行為に着目し工夫することで、リサイクルへの意識を変え、取り組みやすいものになったのではないでしょうか。

(参照:https://kiitos.shop/blog/archive/recycle-aluminum-can-and-pet-bottle-to-get-money-in-finland.html

ランキング上位国から学ぶ日本の課題

上記では、ランキング上位3カ国の取り組みを挙げました。さまざまな取り組みを行なっているランキング上位国でも、解決しなければならない課題は山積しています。

一方で日本は、2020年度に79.17ポイントを記録し、17位にランクインしました。目標別の達成度を見ると、目標4、目標9、目標16の3つを既に達成しているとわかります。しかし、下図で赤く表示されている項目は、未だ解決されていない大きな課題です。

ここでは、ランキング上位3カ国からみる日本の課題を挙げていきます。

ジェンダー問題

スウェーデンとフィンランドでは、政界での女性活躍が進んでおり、国のトップにも女性が就任しています。一方日本では、「すべての女性が輝く社会づくり」が提唱されているものの、女性の政治参画が遅れていたり、職場や教育の現場でもジェンダー差別が起こっている現状があります。

また、男性の育休取得率も日本のジェンダー問題の課題の一つです。厚生労働省の調査に基づくと、2019年度の男性育休取得率は7.48%、女性育休取得率は83%でした。2020年までに13%、2025年までに30%の男性育休取得率を目標としていますが、その数値に達するには程遠いと言えます。日本の職場をはじめとしたジェンダー差別の要因の一つとして、日本人に根強く残る性別分業意識が挙げられ、真のジェンダー平等を実現させるには一人ひとりの意識改革が必要となってきます。

(参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r01/06.pdf

気候変動への対応

ランキング上位国の課題でもある目標13をはじめとした気候変動や環境問題は、日本でも問題視されています。2050年までに脱炭素社会を実現するなど、気候変動に対応する政策を掲げている日本ですが、多くの二酸化炭素を排出する化石燃料に依存していることを踏まえると、再生可能エネルギーへのシフトを早急に行うことが目標実現には欠かせません。

再生可能資源

デンマークでは、UN17 Villageやコペンハーゲンを世界初の脱炭素都市にするといった自治体ごとの取り組みを強化しています。また、スウェーデンとフィンランドでは、深刻化するゴミ問題への解決策をいち早く打ち出して成果を挙げています。

日本で課題となっているのは、ゴミのリサイクル率の低さと再生可能エネルギーの確保です。大量生産・大量消費を主流としていた時代から、循環型社会へと時代が変わってきたいま、ゴミをどう処理するかよりどうゴミの排出量を抑えるかが注目されています。未だ日本のゴミのリサイクル率は2割程度と、ランキング上位国と比べると低い数値です。また、焼却をメインのゴミ処理方法としているため、気候変動や環境問題にも影響してしまいます。

このような現状を踏まえ、再生可能エネルギーの確保が重要になってきます。日本は、世界第5位のエネルギー消費大国でありながら、エネルギー自給率は4%ほどであり、ほとんどを輸入に頼っています。水が豊かで火山地帯の多い日本の特徴を活かして、自然を使った太陽光発電、水力発電、地熱発電などに力をいれることで環境に優しくエネルギーを作り出すことができます。

さいごに

世界の現状とランキング上位国の取り組みを参考に、日本に住む我々ができることは何か考えていきましょう。ランキング上位国の取り組みをただ真似するのではなく、日本の文化や慣習、企業の風潮やビジネスプランに沿った取り組みを考案していくことが大切です。

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