【徹底解説】今、注目を集める再生可能エネルギーとは|SDGsとの関係性も解説

2021.03.16

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近年注目が高まっている「再生可能エネルギー」を知っていますか?

日本は2050年までに二酸化炭素の排出量をゼロにするカーボンニュートラルを政策として掲げています。

カーボンニュートラルを実現する手段として地球への負荷が少なく枯渇しないエネルギーである「再生可能エネルギー」が注目を集めているのです。

この記事では、「再生可能エネルギー」について徹底的に解説していきます。

近年注目が高まる再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、石油や石炭、天然ガスといった有限な資源である化石エネルギーとは違い太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーの事です。

再生可能エネルギーの大きな特徴は、「枯渇しない」「どこにでも存在する」「CO2を排出しない(増加させない)」の3点です。

参照:関西電力公式ホームページ再生可能エネルギーとは何ですか? | よくあるご質問

再生可能エネルギーとSDGsの関係性

再生可能エネルギーはSDGsの掲げるエネルギー問題、地球温暖化問題の解決へ導く手段の1つだと考えられています。

近年、資源の枯渇や地球温暖化に対する危機感の高まりから、世界中で地球温暖化対策やエネルギー問題が議論され続けてきました。

2015年に国連で採択された、持続可能な社会を目指す世界共通の目標であるSDGsでも「目標7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と「目標13.気候変動に具体的な対策を」の2つの目標として、大きく取り上げられています。

この中で、資源が枯渇せずにくりかえし使え、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーは、持続可能な社会と開発の実現に役立つ、クリーンなエネルギーとして大きな期待が寄せられています。

すでに世界各国で化石燃料に替わるエネルギーとして、再生可能エネルギーの開発が進められています。地球温暖化対策における具体的な目標を設定しているSDGsで、再生可能エネルギーが大きく取り上げられたことは、再生可能エネルギーのさらなる普及を進めるきっかけになっているといえるでしょう。

参照:再生可能エネルギーとは?【SDGs】が目指す持続可能な社会の主力となるクリーンエネルギー

再生可能エネルギーの種類

洋上風力発電

洋上風力発電とは、海洋上に風力発電の設備を作り、海の上に設置された風車を風の力によって回転させて発電することを指します。

陸上に比べてより大きな風力を持続的に得られるため、安定的に大きな電力供給が可能になります。また洋上であるため、騒音や万が一の際の人的被害リスクが低く、設置場所の確保がしやすいというメリットから、風力発電市場において、洋上化の動きが活発になっています。

地熱発電

地熱発電では、地下のマグマの熱エネルギーを利用して発電をおこないます。日本は火山帯に位置するため、地熱利用は戦後早くから注目されていました。本格的な地熱発電所として1966年に岩手県の松川地熱発電所が運転を開始し、現在では東北や九州を中心に展開しています。総発電電力量はまだ少ないものの、安定して発電ができる純国産エネルギーとして注目されています。

太陽光発電

太陽光発電は日本を代表する再生可能エネルギーでありシリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法です。日本における導入量は、近年着実に伸びており、2020年11月時点で5,700万kWに達しています。

バイオマス発電

バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称です。バイオマス発電では、生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電します。技術開発が進んだ現在では、さまざまな生物資源が有効活用されています。

水力発電

水資源に恵まれた日本では、発電への利用が昔から盛んで、国内でまかなうことのできる貴重なエネルギー源となっています。水力発電といえば大きなダムを想像しますが、近年は中小水力発電の建設が活発化しています。中小水力はさまざまな規模があり、河川の流水を利用する以外にも、農業用水や上下水道を利用する場合もあります。中小水力発電所は、従来の大規模水力発電よりも規模が小さいため、建設できる場所が多く、今後のさらなる開発が期待されます。

参照:経済産業省資源エネルギー庁 地熱発電|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー

再生可能エネルギーが注目されている理由

脱炭素社会への注目の高まり

脱炭素社会とは、二酸化炭素の排出が実質ゼロとなる社会のことです。脱炭素社会を目指し世界各国でエネルギーに関する政策が打ち出されています。日本でも2020年11月の菅内閣総理大臣所信表明演説において、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言され、脱炭素社会への注目が高まっています。

そこで脱炭素社会を実現するための有効な手段として、二酸化炭素をほとんど排出せず、枯渇しないエネルギー源である「再生可能エネルギー」が注目されるようになりました。

▼脱炭素社会について詳しくはこちら

化石燃料の限界

枯渇する可能性の大きい化石燃料に代わり、枯渇することの無い再生可能エネルギーが注目されています。

世界のエネルギー消費量は年々増え続けています。国際エネルギー機関(IEA)によれば、2040年の世界のエネルギー消費量は、2014年と比べておよそ1.3倍に増加し、その増加分の多くを占めるのが、中国やインドなどのアジアを中心とした新興国だと予測しています。

新興国は、近年大きな経済発展を遂げており、今後成長が加速していくと考えられます。これに伴い、経済を支える石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の需要も増加していくと考えられます。しかし、化石燃料がいつかは尽きてしまう「限りある資源」です。

エネルギー資源確認埋蔵量は、石炭とウランが100年ほど、石油、天然ガスは50年ほどと見られています。

※エネルギー資源確認埋蔵量とは、現時点で確認されている経済的、合理的な範囲で採掘可能なそれぞれの資源の埋蔵量を年間の生産量で割ったもので、「このまま使い続けるとあと何年資源を採取できるか」を予測した数字です。

このように化石燃料には限界があります。そこで太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在し、枯渇しないエネルギーである「再生可能エネルギー」が注目されているのです。

参照:エネルギーの現状 これからのエネルギー

再生可能エネルギーのメリットデメリット

メリット

環境負荷を軽減できる

再生可能エネルギーは利用する際、地球温暖化の原因と言われている温室効果ガスを排出しないため環境への負荷が軽減されるエネルギー源として注目されています。

今、世界の国々ではパリ協定に基づいて、二酸化炭素など温室効果ガスの削減目標を定め、その削減目標に向けた削減努力を行っています。日本も、2030年度の温室効果ガス排出量を「2013年度比で26%削減」という目標を定めています。利用時に温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの普及は、この温室効果ガス削減目標を達成するためには必要不可欠と言えます。

エネルギー自給率を改善出来る

日本はエネルギー資源に乏しく、2017年の日本のエネルギー自給率は9.6%で、他のOECD諸国と比較すると低い水準です。日本のエネルギーの供給のうち、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料が8割以上を占めており、そのほとんどを海外に依存しています。海外に依存している状況が続くと国際情勢の影響などを受けてエネルギーを安定して確保することが難しくなります。

そこで日本の豊かな自然や地形とのマッチングが良い再生可能エネルギーは国産のエネルギー源でとして、エネルギー自給率の改善にも寄与することが出来るとして注目されています。

デメリット

エネルギー変換効率が悪い

水力発電を除いて、太陽光発電や風力発電など主力となる再生可能エネルギーの発電効率は、火力発電や原子力発電よりも低くなってしまいます。

再生可能エネルギーのエネルギー変換効率が低いという点は主力電源化を妨げており、デメリットとしてあげられます。今後の技術開発の進歩によって変換効率が高くなっていくことが期待されています。

発電量が天候などに左右される

再生可能エネルギーのデメリットとして、発電量が天候や季節といった環境的要因に左右されるため安定しづらいという点があります。

天候の悪化などが続いた場合、電力の供給が滞ったり、

需要と供給のバランスが崩れて大規模停電の原因になるといったリスクがあります。

参照:総論|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー再生可能エネルギーとは?今後の課題やメリット・デメリット|太陽でんき®

日本政府の再生可能エネルギー推進の取り組み

固定価格買取制度

「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。

電力会社が買い取る費用の一部を、電気を利用するユーザーから電気料金の一部という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えていきます。

この制度により、発電設備の高い建設コストも回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進みます。

再生可能エネルギー導入促進に向けた補助金

再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業

地方公共団体及び民間事業者等の再生可能エネルギー導入事業のうち、地方公共団体等の積極的な参画・関与を通じて各種の課題に適切に対応し、営農を前提とした農地への再生可能エネルギー発電設備の導入を中心とした取組、蓄エネ等の導入活用事業などについて、事業化に向けた検討や設備の導入に係る費用の一部を補助するというものです。

再生可能エネルギーの普及を促進し、温室効果ガス削減目標の達成への貢献を通じた低炭素社会の実現に資することを目的とした事業です。

参照:再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業(平成30年度)

日本企業が加盟するRE100

RE100とは

RE100は国際的なイニシアチブ(積極的な取り組みの枠)で、企業が使う電力の100%を再生可能エネルギーでまかなうことを宣言し、地球温暖化対策としても注目を集めています。

再生可能エネルギーの調達率100%という数値は、サプライチェーン(原材料の調達から販売までの全工程)を通じて達成されるべき目標であるため、RE100は加盟企業にとどまらず中小零細を含む多くの企業へ影響を及ぼします。

同じく、「事業の活動で使用する電気などのエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達すること」を目標に掲げる企業が加盟し、世界で230社以上、日本では40社以上がRE100のパートナーとして活動しています。

RE100の加盟条件

RE100プロジェクトに加盟するには、企業は事業運営を100%再生可能エネルギーで行うことを宣言しなければなりません。

ここで定義される「再生可能エネルギー」は、水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスを指しており、原子力発電は含まれないことに注意が必要です。多くの現加盟企業は、加盟宣言に合わせて100%達成の年を同時に宣言しています。100%達成は、企業単位で達成することが要求され、世界各地に事業所などがある企業は、その全てで100%を達成しなければなりません。

100%達成に向けての方法としては自社で発電設備を賄うか、電力市場から再生可能エネルギーを購入するかの方法があります。

また、参加するためには、RE100が提示する8つの基準を満たす必要があります。8つの基準の内、すべての企業にあてはまる基準は次の基準1~6になります。

基準1 世界的に認知されているなど、100GWh以上消費するような影響力がある企業であること。
基準2 すべての企業活動において再生可能エネルギーの100%利用を達成することに対して、公約する意志があること。
基準3 基準2の「すべての企業活動」の定義は、GHGプロトコルに則ること。
基準4 企業はグループ単位で参加する必要があるものの、子会社のうち条件を満たす場合は参加の例外として認められる。
基準5 RE100が決める最低限の期限を設けた達成のための戦略を持つこと。
基準6 毎年「CDP気候変動」の質問表のフォーマットで報告書を制作し、進捗状況を事務局に提出する必要がある。その情報は、第三者監査を受けなければならない。
基準7と8 発電事業や、再生可能電力設備の製造などを行う企業に関する条件で、収入の大半を発電によりまかなう企業、および再生可能エネルギー電力設備を製造する企業に関しては、その参加について別途条件が定められている。

参照:RE100とは | 目的や参加条件、加盟している日本企業について:電力事業者向け顧客料金計算システム Enability – エネルギーソリューション【日本ユニシス】

再生可能エネルギーを活用する企業例(RE100より)

株式会社リコー

リコーグループは2017年4月に日本企業として初のRE100に参加し、徹底的な省エネや、自家発電施設の設置、再生可能エネルギー比率の高い電力への切り替えなどの取り組みを各地で加速してきました。生産拠点の取り組みでは、中国、タイ、日本のA3複合機の組み立て生産を行う全社屋で使用電力を今年度から再エネ電力に切り替えています。販売拠点でも、欧州の販売会社10社が使用する電力を100%再エネ電力に切り替えています。国内でも、販売会社であるリコージャパンの岐阜支社が徹底した省エネと太陽光発電や蓄電装置の導入による再生可能エネルギーの創出・活用することにより、日本の第三者機関から”Nearly ZEB”(※1)の認証を取得しています。

CHECK!!|Nearly ZEBとは?
Nearly ZEB:Nearly Net Zero Energy Building|年間のエネルギー消費量をゼロに近付け、75%以上省エネを達成した建物のこと

参照:RE100目標達成に向けて生産拠点における再生可能エネルギー由来電力の活用拡大 | リコー

ワタミ株式会社

ワタミグループでは外食や宅食などの事業活動における環境負荷低減(省エネルギー、CO2削減、循環型社会構築のための環境改善事業(食品リサイクル)など)に取り組んでいます。このような取り組みによって、2010年に環境省より外食業界で唯一の「エコ・ファースト企業」認定を受けています。これからも地域に根差した再生可能エネルギーの調達とともに、外食や宅食といった事業における使用電力の省エネルギー化に取り組むことで「RE100」の達成を目指しています。

参照:環境事業 | グループ事業

楽天株式会社

楽天グループは近年、エネルギーサービス「楽天エナジー」の取り組みとして、ブロックチェーン技術を活用した環境価値「J-クレジット」の取引システムの提供、「楽天市場」の出店店舗や「楽天トラベル」の加盟宿泊施設などの電力を実質再生可能エネルギー100%にすることをサポートする「Project R100」の実施、また楽天グループが関わるスポーツの試合における CO2オフセットなどを行い、再生可能エネルギーの導入および利用を推進してきました。楽天株式会社本社をはじめ、データセンターや物流センターなどの拠点において、楽天株式会社が事業活動で使用している電力を2025年までに100%再生可能エネルギーにすべく、「楽天エナジー」をはじめとする社内外のステークホルダーと連携し、「RE100」達成に向けた取り組みを推進しています。

参照:楽天、国際イニシアチブ「RE100」へ加盟 | 楽天株式会社

さいごに

今回は「再生可能エネルギー」について詳しく学んできました。

「再生可能エネルギー」がなぜ注目が高まっていたのか、理解できましたか?

地球温暖化が進み、各国でエネルギーに関する目標が明確に示されている中、目標達成のために欠かせない存在となっているのが「再生可能エネルギー」です。

今後、より多くの「再生可能エネルギー」が私達の生活に取り入れられていくでしょう。

地球温暖化、エネルギー問題を他人事と思わず、一人一人が地球のためのより良い選択を出来るようにエネルギーに関する正しい知識を身に付けていきましょう。

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