《徹底解説》ESG経営とは?|今注目される持続可能な企業経営を解説

#ESG#企業戦略#働き方改革#組織改善#経営改善 2021.10.28

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【更新日:2021年11月3日 by 森あゆみ

近年ではSDGsの注目が高まり、多くの企業がSDGsに関連した取り組みを行うようになりました。企業は自社の社会的な責任を再認識し、収益だけでなく、従業員の働きがいや環境への影響なども含めて責任を追うようになっています。

それにあわせて注目されているのは「ESG経営」というキーワードです。

「ESG経営」は持続可能な企業経営の1つの手法として、特に金融市場で注目を集めています。

この記事では、これからの企業成長に欠かせないとも言われている「ESG」とはなにか?「ESG経営」のメリット・取り組みにはどのようなものがあるかを紹介していきます。

ESG経営とは?

ESGとは?

「ESG」とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(管理体制)の頭文字を取ってつくられた言葉です。

Environment(環境)

CO2排出量削減、海洋プラスチックなどの環境問題対策を講じ、再生可能エネルギーの使用や生物多様性の確保によって自然に配慮すること。

Social(社会)

労働条件や男女格差の是正による人権対策、ワークライフバランス、児童労働問題など社会への影響を考えること。

Governance(管理体制)

リスク管理のための情報開示、業績悪化の原因となる不祥事の回避など企業経営における管理の方法のこと。

ESGについては、以下の記事で詳しく説明しています。あわせて参考にしてみてください。

ESGとSDGsの違い

ESGとSDGsは「持続可能性」という点で類似しています。

では、この2つのキーワードにはどのような違いがあるのでしょうか。

ESGとSDGsの関係は、根本の考え方が非常に似ています。

SDGsは、2015年に国連でまとめられた「持続可能な開発目標」のことです。各国が力を合わせて、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットが設定されています。

SDGsは企業だけでなく、国や地方自治体を含む社会全体の目標を可視化したものです。

一方で、ESGは地域や顧客・取引先などのステークホルダーへ配慮すべき項目をまとめた概念であり、今後の企業成長に必要な要素の1つと考えられています。

ESGに配慮した事業活動がSDGsの目標達成に繋がっていくという性質から、ESGが「手段」、SDGsが「ゴール」と考えるとわかりやすいでしょう。

ESG経営とは

「ESG経営」とは、上記のEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(管理体制)の観点に配慮した経営を指します。

近年、企業の安定的かつ長期的成長には、環境問題や社会問題への取り組み姿勢・ガバナンスが影響するという考えが広まっており、財務状況だけでは判断しがたい企業価値を見出す指標としてESGの重要性が認められています。

参考文献:いまさら聞けない「ESG」~サステナビリティ経営の基礎知識~ 企業にとってのESGとは?|おしえて!アミタさん まちづくり情報サイト

ESG 経営の5つのメリット

企業がESG経営に取り組むメリットは多岐に渡ります。その中から特に注目すべき5つのメリットを紹介します。

メリット① ブランド力の強化

まずメリットとして挙げられるのは、ブランド力の強化です。

近年では、企業内の不祥事がメディアで大々的に取り上げられ、SNS上で炎上して批判されるだけでなく、投資家も離れ、企業価値が大きく低減してしまう事例が多く発生しています。

どれだけ多くの収益をあげ、自社のブランドを築いたとしても、信用を失い、ブランド価値が低下してしまうのは一瞬です。

だからこそ、ESGの観点が重要です。環境や社会、社内のガバナンスにまで広く目を向けることで、ブランド価値の毀損のリスクを低減するだけでなく、ブランド価値を向上し、従業員やユーザから長期的に支持される企業運営が可能になります。

参考文献:ESG経営・ESG投資とは?本当の企業価値を高めるために理解しておきたいポイント|the owner

メリット② リスク管理の高度化

ESGを意識することは企業が経営のリスク管理を高度化させることにも繋がります。

「環境・社会・管理体制」はどれも、企業の事業を衰退させるリスクを生む可能を持っています。

自社の事業が環境に対して悪影響を与えていた場合、世論が反発するだけでなく法規制によって、事業の継続が難しくなってしまうかもしれません。また、事業を通じて社会的な格差を助長するなど、悪影響を与えてしまえば、それも批判の的になってしまいます。

現在、企業は多くのリスクにさらされてる状態で事業を運営しなくてはいけない時代になっています。ESGに配慮し、リスクを回避しながら、ステークホルダーの支持を得ていくことが重要です。

メリット③ ESG 投資による資金調達

ESG投資とは、投資家がESGの3つの視点から企業を評価して投資先を決める投資方法のことです。

近年は、企業・投資家共に「企業の持続的な成長のためにはESGに取り組み、環境や社会の持続可能性を確保することが重要」という考え方が浸透してきています。これにより投資先の判断基準に「ESG経営を行っているかどうか」が加わっていったのです。

ESG投資は2006年に国連によって発表された「責任投資原則(PRI)」をきっかけに急速に普及し、現在では一般的な投資方法の1つとされ、企業の資金調達の要になっています。

参考文献:ESG、ESG投資を理解していますか。概要やメリット、日本の動向を解説|スマートでんきコラム

メリット④ 労働安全衛生の保証

ESG経営を達成するためには、消費者や投資家など企業の外部に対してだけでなく、内部の労働者にも「持続的な成長が期待できる企業であること」を示さなくてはなりません。その上で、労働安全衛生の保証は不可欠なものとなります。

「労働安全衛生」とは、就業環境における安全・保険・豊かさを守る為の健全な就労環境の確保を目的としたもので、企業成長の土台ともいえます。労働安全衛生の保証は値観や人材の多様性を尊重して不平等・格差を感じさせないこと、長期的に自己や不正の起こらない体制を確立に繋がり、労働者に対してESG経営に必要な「持続可能性」を示すことができます。

労働安全衛生の保証は企業と労働者の双方にとってメリットがあるといえるでしょう。

参考文献:ESG投資とは|SDGs media

メリット⑤ 「働きがい」の創出

「働きがい」とは働く上でのモチベーションのようなもので、「この会社のために役に立ちたい」「会社にいることで自分の価値が高まる」と感じることと言えます。

ESG経営が浸透している現在、働きがいのない企業は企業利益のためだけに人材を扱っていると捉えられてしまい、その情報や評価はすぐに広まってしまいます。

投資家や消費者に「優良企業」だと認識してもらうために、企業側も社員のキャリアマネジメントの強化や会社への帰属意識の向上、働き方改革など、働きがいを創出する活動が促進されています。

このように、ESG経営は労働者にも多くのメリットがある取り組みなのです。

ESG経営に取り組む企業ランキング

東洋経済新報社は、企業のESGに対する取り組みを「環境・社会性・企業統治・人材活用」の4つの観点からそれぞれ100点満点(合計400点満点)で評価する「ESG企業ランキング」を発表しています。

2021年に発表された「ESG企業ランキング」の上位から、どのような取り組みが行われているかを見ていきましょう。

1位 SOMPOホールディングス

SOMPOホールディングスは2010年に設立された損害保険会社で従業員323名を抱えています。

ESGの面では、2019年から3年連続で1位を獲得し、ESGに力を入れている企業だといえます。

SOMPOホールディングスの取り組みで特に評価されているのは「環境」です。環境の得点は100点で最高評価を獲得しています。

具体的には、SAVE JAPANプロジェクトを通じた「いきものが住みやすい環境づくり」や、温室効果ガスの排出量の抑制、再生可能エネルギーの普及促進といった活動があります。

また、人権尊重、地域の社会貢献を事業に取り組みなど、SDGsに積極的に取り組んでいる点も高く評価されました。

参照:SOMPOホールディングスのESG事例!ESGランキング1位の取り組みを11000字で徹底解説|ESG Times

2位 オムロン

オムロンは、2020年から1つ順位を上げて2位にランクアップしました。ヘルスケアや制御機器企業など幅広い事業を展開し、約120の国々でサービスを提供しています。

オムロンの特徴は業績目標と事業戦略、サステナビリティ目標を中期経営計画としてまとめて考えることにあります。このことから、オムロンは企業統治・管理体制に力を入れていることがわかります。

また、持続的な企業成長のために「オムロンコーポレートガバナンスポリシー」を制定し、経営の透明化・公平性の確保が評価されました。

他にも企業の企画段階で環境アセスメントを導入して環境負荷削減目標を設定、梱包材の使用料削減、工場排水を利用したビオトープでの活動など様々な活動が行われています。

参照:持続可能な取り組み(製品・生産)|オムロンHP

3位 j.フロントリテイリング

j.フロントリテイリングは百貨店事業やパルコを代表とするショッピングセンターを展開する企業です。日本の大都市には必ずと言っていいほどj.フロントリテイリングの事業が展開されており、私たちの生活に浸透しています。

ESGの取り組みとしては、「国連グローバル・コンパクトの署名」や「RE100の加盟」などイニシアティブへの参加に積極的に行うESG経営を得意としています。

企業内では、働き方改革やワークライフバランスの実現など、従業員に対するESGの取り組みが重要視される傾向にあり、働きやすい会社としての評価が高いと考えられます。

参照:サステナビリティ|j.フロントリフティング

まとめ

ESG経営は、今後企業が持続的に成長していくためには欠かせない取り組みです。その特徴やメリットを理解し、より多くの人がESGを意識することで社会全体の成長・環境保全にも繋がっていきます。

この記事が、企業の活動に対して消費者側の皆さんが関心を持ち、ESG経営という新しい視点を得るきっかけとなりましたら幸いです。

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