2021年11月に結成した7人組アイドルグループ、CoCoLo♡RiPPLe(ココロリップル、以下、ココリプ)。
2022年2月20日には単独デビューライブを開催し、3/31に3rdシングルをリリースするなど、注目の集まるアイドルグループだ。
「明るく、楽しく、可愛くSDGsを伝える」ことをコンセプトに、アイドルが持つ情報発信力を活かして持続可能な社会を目指している。
今回は、CoCoLo♡RiPPLeのメンバーのみなさんを取材した。SDGsアイドルとして活動する想いやこれからのビジョンについて、若い世代の素直な想いを伺う。
見出し
野菜栽培から昆虫食まで!SDGsアイドルになりたかった熱い理由
ーー自己紹介をお願いします。
はるく:ココリプ最年少、15歳のはるくです。
群馬県出身で、趣味は畑での野菜栽培です。
小さい頃から夢に出てくるほど地球温暖化が怖くて、何か自分で行動したいと思った時にココリプのオーディションを見つけて応募しました。
ゆな:チャレンジすることが大好き、毎日成長し続ける、ゆなです。東京出身の大学1年生です。
もともとアイドルが好きで、ジェンダー問題を発信するアイドルに救われた経験から、いつか社会問題を発信するアイドルを作りたいと思っていました。
そんなときにココリプのオーディションを見つけ、運命を感じて応募しました。
ぽんちゃん:ココリプ最年長、21歳のぽんちゃんこと、ゆずです。茨城県出身で、動物が大好きです。
以前はほかのグループで2年間アイドルをしていました。もう一度アイドルとして再スタートしたいと思っていたときにココリプのオーディションを見つけました。
ココリプを通して初めてSDGsの存在を知り、調べていくうちに普段の生活もSDGsに関わっていることを知り、興味を持ちました。
かおるん:ココリプいちのなまけもの、それでも君を笑顔にしたい、みんなの心るんるんかおるんです。
北海道生まれ東京育ちです。好きな女優であるオードリー・ヘップバーンがユニセフ大使を務めていたことからSDGsに関心を持ちました。
大学1年生の時に、農業問題について考えるワークショップに参加したことから、SDGs目標2「飢餓をなくそう」に強く興味を持ちました。そこから昆虫食に可能性を感じ、もっと広めたいと思うようになりました。
ひな:大学3年生のひなです。
2年前、1人旅をしていたところコロナ禍の影響で日本に帰れなくなり、フィリピンで1年過ごしました。
フィリピンの人たちは1人で取り残された私に温かく手を差し伸べてくれて、フィリピンでの生活には常に助け合いの精神があることを知りました。
一方で、コロナ禍で発展途上国が悲惨な状況にあり、持続可能な生活が必要不可欠な要素だということも目の当たりにしました。
フィリピンで学んだ助け合いの精神を活かし、すべての人の暮らしをより良いものにしたいという気持ちからココリプに応募しました。
ぶーちゃん:広島県出身、20歳のぶーちゃんことみなみです。
小学3年生からダンスを始め、広島でダンスのインストラクターとして経験を積む中で、ダンスで何かを発信することの素晴らしさを実感しました。
コロナ禍で一度は断念した東京進出の夢を叶えるため、オーディションを探していたところSDGsアイドルの存在を知りました。
SDGsという大きなテーマを自分のダンスで伝えられるという点に興味を持って応募しました。
あまま:歌って心を照らしたい、あままことあまねです。
東京出身で、小さい頃からさまざまな音楽に触れてきました。
高校では塩分を含みすぎていて焼却処分される醤油粕を再利用し、アイスプラントやトマトといった塩生植物の栽培に役立てる研究をしていました。
これまでの研究で培った力をどこかで活かしたいと思っていたことと、もともとアイドルが好きで憧れを抱いていたこともあり、ココリプに応募しました。
幼少期の体験がSDGs目標達成への原動力に
ーーメンバー1人ひとりの原体験が濃いのですね。次に、みなさんが最も注目するSDGsの目標とその理由を教えてください。
ぶーちゃん:私は広島県出身で、これまでずっと平和学習に取り組んできたことから、SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」に注目しています。
ロシアによるウクライナへの侵攻が始まってしまった今、さらに学び発信していくべき項目だと思います。
とはいえ、16番はテーマが大きすぎて、自分に置き換えて考えることは難しいです。
平和学習の中で1番印象的だったのが「世界中の一人ひとりが絶対に誰かの大切な人」という言葉でした。
「平和」をより身近に考えてもらうためには、人々が何もない焼け野原からどうやって復興していったのか、今の暮らしを0から築き上げるにはどれだけ大変だったのかに注目し、発信していくべきだと思っています。
はるく:環境問題に関連するSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」、14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かさも守ろう」に関心があります。
小さい頃にTV番組で温暖化が進んだ地球を再現した映像を見てから恐怖を感じ、気候変動への対策を意識するようになりましたが、一人で活動するには限界を感じていました。
そこで、私たちココリプが環境問題をより身近に、噛み砕いて、幅広い世代に発信していけたらと思っています。
ぽんちゃん:SDGs目標12「つくる責任つかう責任」、15「陸の豊かさも守ろう」に注目しています。
小学生の頃、表紙に惹かれて「犬たちを送る日」という本を買ってもらいました。この本で日本では殺処分が多いという問題を知り、何かできることはないかと考えていました。
SDGsアイドルの活動を通して、日本のペットを取り巻く現状や問題をさらに発信していけたらと思っています。
SDGsという指標があるからこそ見えてきた課題
ーーSDGsの大切さを感じた瞬間はありますか。
かおるん:今、SDGsについて調べると、偽善だという批判的な意見も見られます。
しかし、SDGsという存在がなければ何を基準に問題を発信していけばいいのかがわからないままだったと思います。
SDGsがなければ問題が報道されることも、それを解決しようとする人も、もっと少なかったのではないでしょうか。
SDGsという指標があるからこそ、世の中が大きく変わろうとしているのだと強く思います。
ゆな:中学の頃からSDGsの授業があり、ジェンダー問題などを学んでいました。その影響か、マイノリティにオープンな生徒が多くいる環境で生活してきました。
しかし、SDGsについて学んでいく中で、例えばアフリカのウガンダではLGBTQにあたる方が処罰の対象になるなど、ローカルではジェンダー問題が根強く残る地域も多くあることを知りました。
SDGsを勉強したからこそ、グローバルとローカル、両方の視点で俯瞰して問題を捉えることができたと思います。
より良い未来を創るために重要なのは子どもたちへの認知拡大
ーーこれからどんな未来や社会を創っていきたいですか。
ひな:自分のすぐ近くの人に手を差し伸べられる社会を創っていきたいです。
例えば、オムライスを作っていてケチャップがなかったら、隣の人に借りに行けるような社会だったら素敵ですよね。
現代は人の繋がりが希薄になってしまっていると感じます。
身近な人が貧困で苦しんでいたら気づいてあげられるような、国と国が手を取り助け合う社会を創れたらと思います。
はるく:私が大切に思っている人が「幸せだ」と思える世界にしたいです。
そのためには、これから成長していく小学生以下の子どもたちにSDGsを伝え、考えてもらうことが重要だと思っています。
今の子どもたちが大人になったときにSDGsの考えが当たり前になっていれば、より良い社会が創っていけるのではないでしょうか。
わかりやすく共感してもらえる発信を|「#ココにもSDGs」に込められた想い。
ーーSDGsを発信していく上で大切にしていることを教えて下さい。
あまま:ココリプに入ってから発信する立場として、SDGsへの感度が高くなりました。
SDGsに関して気になることがあれば調べたり、考えたことをTwitterでツイートしてみたりしています。
日常生活の中で気になったことは、「#ココにもSDGs」というハッシュタグを使って発信しています。
私たちを通して日常に潜むSDGsを知っていただけたら嬉しいです。
ぽんちゃん:SDGsを知らない人でも関心を持ってもらえるよう、わかりやすく伝えることを意識しています。
SDGsを知って間もない頃は、SDGsに関するニュースを見ても専門家の方の言葉が難しくてわかりにくいと感じていました。
SDGsを知らなかった頃を忘れず、楽曲の歌詞やダンスを通してSDGsを知ってもらいたいです。
ひな:「共感」を大事にしています。私自身、勉強は得意でも情報だけを詰め込むような授業は嫌いでした。
ストーリー性や意外性があると、難しいことも抵抗感がなくなると思います。
「#ココにもSDGs」もその1つです。「こんなところにもSDGsがあるんだ」という意外性や面白さを共感してもらえるような発信をしていきたいです。
ゆな:真面目なSDGsというテーマも、かわいく楽しく面白く伝えることができるのがアイドルの強みだと思います。
ココリプの楽曲にはSDGsに関するワードが出てきます。
例えば、LGBTQを象徴する「レインボーフラッグ」や、環境に配慮していると見せかけて実態は伴っていない商品やPRを指す「グリーンウォッシュ」といった単語が歌詞として登場します。
応援すれば同時に学びも得られるような発信を心がけています。
CoCoLo♡RiPPLeが描く未来とこれからの活動
ーーこれからどんな活動をしていきたいですか。
はるく:みんなが言ってくれたように、SDGsは言葉だけでは伝えるのが難しい面があります。
私たちは歌やダンスを通してSDGsを知るきっかけを作り、そこからより深くSDGsに関わってもらえたらと思っています。
今ある当たり前を、これからを生きる人にとっても当たり前にしていくために、SDGsを伝えていきたいです。
ゆな:多様な人が生きやすい社会を創っていきたいです。
SDGsを通して周知されてきたものの、ジェンダー問題などはまだ多くの課題があります。
自分自身も悩んだ経験があるからこそ、活動を通して悩んでいる人を助け、サポートできる存在になりたいです。
あまま:SDGsは大きな課題でどうやって関わっていけばいいか、わかりにくいと思います。
私たちを通してSDGsをできるだけ身近に感じてもらい、一緒に実践できることを1つずつ積み重ねていきたいです。
ぽんちゃん:世界共通の目標であるSDGsは、難しいことも多いですが一人ひとりにできることがあります。
音楽の力を通して、言葉に捉われない発信をしていきたいです。
かおるん:世界中からお腹を空かせた人をなくしたいです。
飢餓をなくすために何ができるのか、ココリプの活動を通して伝えていきたいです。
ひな:ASEAN青年組織(日本)の社会ボランティアプログラムディレクターとして活動していた経験もあるので、ゆくゆくは東南アジアにも注目していきたいです。
そのために、まずは日本でSDGsを実践している人から話しを聴き伝える活動から、一歩ずつできることを増やしたいです。
ぶーちゃん:ココリプは歌やダンスでSDGsを伝えるという新しい挑戦をしています。
小さな頃の素直な気持ちを当たり前に発信できるような世の中にしていきたいです。
さいごに
今回の取材を通して、短いインタビューの時間だけでもココリプのメンバー1人ひとりが抱くSDGsへの熱い思いが伝わってきた。
全員が個性的で、それぞれがブレない原点を持っているからこそ、SDGsアイドルとしての発信力があるということを強く感じた。
SDGsはもちろん、「推し活」もたびたび話題にあがる今日、SDGs×アイドルという異色とも言える組み合わせはひときわ目を引く存在だ。
「アイドルの力で地球を救う。」、ココリプのこれからの活動と成長に期待が高まる。